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献身続ける長髪のハードワーカー。リアキ・モリの現在地。

4/5(水) 0:04配信

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

 快晴の東京・辰巳の森ラグビー場で、サンウルブズ2年目のチームマンは上機嫌だった。
「今はとてもフレッシュな状態です」

愛をもらい、刺激を戻す。サンウルブズ江見翔太激励会、学習院にて。

 4月3日、約1か月の海外遠征から帰国したサンウルブズは、1週間のBYEウィーク(休みの週)を挟み、練習拠点の辰巳グラウンドに再集結。調整に回っていたSH田中史朗らも姿を見せ、4月8日のブルズ(南アフリカ)戦へ向けて再スタートを切った。

 この日はニュージーランド出身の27歳、LOリアキ・モリも元気な姿を見せた。
 約1か月に及んだシンガポール・南アフリカ遠征を終えてなお、その表情に疲れはなかった。
「このチームにいる限り、移動距離を言い訳にできないということは分かっています。それよりも、素晴らしいチームと戦えることを前向きに捉えています」
 ツアーでは4度の敗戦を味わった。
 ただ一方で、結束の高まりも感じている。
「チームがひとつになるチャンスがたくさんありました。プレシーズンが2週間しかなく、そういった(チームがまとまる)時間もありませんでしたが、ツアーを通して、どんどんチームが“タイト”になっていきました」
 31-38で惜敗した第3節チーターズ(南アフリカ)戦では、昨季を含めて過去最高となるボールキャリー14回、タックル数13回を記録。敗戦チームながらマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に選出された。
 縁の下の力持ちにスポットライトが当たった瞬間だったが、本人の口から出たのは短い反省の言葉だった。
「勝つべき試合だったと思います」

 2010年にオークランドの州代表、そしてU20ニュージーランド代表に選出。肩のケガから復帰後、2012年からブルーズ(ニュージーランド)の一員として3シーズンプレーした。 
 2016年からは1年目のサンウルブズに参加し、シーズン序盤はLO、中盤以降はおもにFLとして全14試合に先発出場。シーズン通してのボールキャリーは91回、タックル数は120回と、骨身を惜しまぬプレーでチームを支えた。
 そして迎えた今季は、5試合中4試合に先発出場中。MOMに輝いたチーターズ戦のみならず、第5節ストーマーズ(南アフリカ)戦では、前半24分に今季初トライ。またこの試合のタックル数は、両チーム合わせてトップの19回だった。

 4歳の女の子を持つ父親でもある。
 BYEウィークでは、2日間の休養をとったのち、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンで家族の時間を楽しんだ。
 かわいい盛りの愛娘。テレビに映った“ダディー”の姿を見て、名前を呼ぶようになってきた。
「もうラグビー選手だと分かり始めています。ただ、家を離れている時間がとても長いので、(その間は)テレビを通してしか見る機会がありませんが」

 家族との時間も大事だけれど、本人は年間を通してのプレーを望んでいる。
 昨季はサンウルブズでプレーしたのち、ニュージーランドの州対抗選手権「Mitre 10 CUP」に参戦。故郷オークランドの代表として、紺×白のジャージーを着た。
 昨年はトップリーグからオファーはなかったが、もしあれば「もちろん日本に“ステイ”していました」。今季終了後のトップリーグ参戦についても、陽気に「声をかけてください」と笑顔を浮かべる。

 しかし、サンウルブズFWの柱のひとりとして、いまは目の前の敵を見据えている。
「今週もハードなトレーニングをして、(ブルズ戦は)勝ちにいくつもりです。チームは良くなっているので、いい機会だと捉えています」
 今季のサンウルブズについては「ダイナミックになりました。それぞれのキャラクターが際立っていて、とても勇敢な心を持っています」。
 成長するチームのなかで、長髪のチームマンが躍動すれば、チームはトライラインへ、そして勝利へと近づいていく。

(文/多羅正崇)