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過疎自治体 4割で30代女性増加 個性生かした地域 志向

4/5(水) 7:00配信

日本農業新聞

 過疎指定を受ける全国の自治体の4割に上る自治体で30代の女性が増えていることが、持続可能な地域社会総合研究所の調査で分かった。特に西日本で離島や山間の自治体でも若者世代の人口が増える傾向にあり、男性よりも女性が顕著だった。都会に転出し、人口減少が加速化しているとされる過疎地だが、若い女性が子育て環境などを求めて農山村を志向する兆候が明らかになった。

離島や山間地西日本が顕著

 同研究所が独自の地域人口ビジョンシミュレーションシステムを使い、2010年と15年の国勢調査を基に全国の過疎指定自治体794の人口移動を調べた。10年の25~34歳女性と15年の30~39歳の女性数を比較したところ、5%以上増加した自治体は116に上った。増加率0~5%の自治体の209を合わせると325自治体となり、過疎指定自治体の4割を占める。

 高い増加率を示したのは、鹿児島県十島村(増加率129.4%)や島根県海士町(47.4%)、新潟県粟島浦村(25%)といった離島、高知県三原村(24.4%)、長野県北相木村(37.5%)などの山間の自治体だった。

 西日本が顕著な理由について、同研究所は「集落営農組織や地域運営組織、自治組織など次世代に向けた地域の仕組み作りに先行して力を入れてきた基盤がある」と説明する。

 過疎自治体のうち、30代男性の増加率が5%以上となったのは105自治体、増加率0~5%が197自治体で合計302自治体だった。女性をやや下回ったが、ほぼ同じ傾向を示した。

 同研究所の藤山浩所長は、子育て世代が増加している地域の共通点を「移住の補助金の多寡ではない」とし、「森林活用や子育て環境の保持、小さな拠点の形成など自分たちの暮らし、個性を大切にした地域づくりに特化している」と指摘する。

 一方で、子育て世代が減少傾向にある自治体は、工場誘致など規模の経済に依存している傾向があるとみる。同研究所は今後、若者世代の増加率の高い現場を訪れて調査し、過疎自治体同士が学び合う仕組み作りを目指す方針だ。

 30年後の45年に人口が安定化するために必要な定住増加人数も試算した。既に安定化を達成している自治体と、15年の総人口から0~1%の増加で達成する自治体を合わせると325に上り、4割を占めた。藤山所長は「移住者を急激に増やす必要はない。人口の1%を取り戻せば人口は安定することが改めて分かった」と強調する。

 総務省の調査でも30代の女性が過疎自治体で増えている傾向が確認できている。同省では今後、30代の女性がなぜ過疎自治体に向かっているか要因を分析し、過疎対策につなげていく方針だ。

日本農業新聞

最終更新:4/5(水) 7:00
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