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人手不足経済深刻さ増す、このままでは日本経済の足かせに

4/11(火) 8:00配信

THE PAGE

 週休3日や定休日の導入など、大手企業を中心に社員の労働環境を改善する動きが広がっています。しかし、こうした制度を導入する背景となっているのは深刻な人手不足です。このままの状況が続いた場合、日本経済の成長の足かせとなる可能性も否定できません。

 引っ越し大手のアートコーポレーションは今年の夏から定休日を導入することを検討しています。全国のアート引越センター122店舗を対象として、火曜日や水曜日などを中心に週1日程度の休みを設けます。同社はこれまで年末年始を除いて毎日営業していましたが、業界では深刻な人手不足が続いており、労働環境を改善することで人材の定着を促したい意向です。

 コンビニ大手のファミリーマートでは、週休3日制を導入します。約5800人の全社員が対象で、親の介護など一定の条件付きで週4日の勤務を認めます。介護のために仕事を休まざるを得ない中高年社員の利用を想定しており、これによって介護離職を防ぎたい考えです。

 両社の取り組みは、いわゆる働き方改革の一貫ということになりますが、その背後にあるのは深刻な人手不足です。アートの場合には、引っ越し業者としてはかき入れ時となる3月、4月の受注を前年比で2割程度削減しています。需要が減っているわけではなく、現状の体制では十分に業務を回すことができないことが理由ですから、状況はかなり深刻といってよいでしょう。

 新卒採用でも同じような状況となっています。吉野家ホールディングスは、同社で働く大学生アルバイトを対象に奨学金制度を導入します。返済については、卒業後にそのまま入社すれば全額を免除する仕組みですが、同業の飲食チェーンに入社した場合でも半額を免除することになっています。ライバル会社への入社に対しても半額を免除するというのは、イメージアップ戦略の可能性もありますが、人手不足が業界全体の課題であることを示していると考えられます。

 経済は需要と供給のバランスが取れないとうまく成長することができません。人手不足が慢性化してしまうと、企業は製品やサービスの生産を抑制せざるを得なくなり、その結果として売上高や利益が減少。最終的には労働者の所得減少という形で跳ね返ってきます。そうなると今度は需要そのものが減るという負のスパイラルに入ってしまいます。AIの導入などを含め、生産性向上に本腰を入れないと、人手不足が日本経済の足かせになってしまう可能性もあるわけです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:4/12(水) 5:40
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