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前田敦子も大島優子も「普通の女の子」だった。アイドルの魔法をかける、AKB48の衣装哲学

4/6(木) 12:04配信

BuzzFeed Japan

妥協したものはすぐバレる

――収録分だけでも1000着超。一体、年に何着作ってるんだ? と思ってしまいますが、エネルギーやアイデアを枯らさないために意識していることはありますか。

秋元(康)さんに言われた言葉で、2つ印象的なものがあります。

ひとつは「クリエイターは両手両足を縛られた状態で、どんなアイデアが出せるかが力量だ」。

時間も予算も常に限られている中で、逆転の発想でやれるのがクリエイターだ、だから0を1にする仕事は辛いんだ――と。これは常にスケジュールに追われてる中でずっと意識してしますね。「この会議室の中のものだけでMVを撮るとしたら?」とかよく妄想しています。

もうひとつは「作り手側が汗を流さなければ、人は涙を流さない」。

「これでいいや」って妥協したものは、すぐにバレるんですよ。必死になって作ったものは必ず返ってくる。そういう経験を重ねてこれたのはよかったなと思います。

今回この本の冒頭で秋元さんから「イントロとしての衣装」というタイトルで寄稿をいただいてるんですが、これサプライズなんです。全然知らなかった! 本になってから「あれ、こんなページあったっけ?」って。

“人生の師”だと思っている人に、こんな風に言ってもらえてうれしかったですね。

「思い出」にはしたくなかった

――正直、最初にこの本が発表された時「あの頃、彼女がいたら」「次世代がまとう」なんてコピーだったので、現メンバーによる写真集になるのかなと不安でした。

ですよね。絶対に反発があることはわかっていましたが、わざとです。

最初は、トルソーに衣装を着せたカタログのみの本になる予定でした。「若手メンバーによるグラビアも入れよう」と提案したのはこちらからです。

なぜなら、この本を作る上で、なつかしい思い出や懐古にはしたくなかったからです。“全盛期”はもちろんあっても、AKB48というプロジェクトは現在進行系。
グラビアを入れるにしても、当時のメンバーや(渡辺)麻友が昔の衣装を着ても「あの頃」になっちゃうじゃないですか。

メイクバッチリでスタジオ撮影して、過去のMVをなぞらえるようなこともしたくありませんでした。すっぴんも、屋外でゲリラロケも、あの頃のAKBはやらなかったし、できなかったことですね。

「衣装選抜」の42人の中にはこの撮影が初めて、というレベルの超新人の子もいて新鮮でした。

アイドルの衣装の役割のひとつは、身にまとう子自身が自信を持ってステージに出られるようにすること。普通の女の子が、アイドルになれるアイテムなんです。かわいいんだ! かっこいいんだ! という自信が芸能人のオーラで、その説得力が人を魅了していくんだと思います。

前田(敦子)も(大島)優子も同じように何もないところから始まった。最初から人気があったメンバーなんて一人もいないんです。

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最終更新:4/6(木) 15:26
BuzzFeed Japan

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