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時代がようやく追いついた!今年のアニメ映画界で最も期待される監督、湯浅政明

4/6(木) 15:00配信

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2016年度の日本アニメーション映画界は、その驚異的大躍進に伴って『君の名は。』の新海誠監督や『この世界の片隅に』の片渕須直監督といった逸材を世に広めることにも大いに貢献した。こうした勢いに乗って2017年度もますます加速していくばかりの国産アニメ映画シーンだが、今もっともブレイクが期待されているのが湯浅政明監督である。

【画像】『夜は短し歩けよ乙女』星野源

なぜなら、湯浅監督の出世作でもあるTVアニメ「四畳半神話大系」のスタッフが再度ベストセラー作家・森見登美彦の原作小説の世界に挑んだアニメーション映画『夜は短し歩けよ乙女』がまずは4月7日に、そして5月19日には人魚と少年の心の交流を描いたファンタジー・アニメーション映画『夜明け告げるルーのうた』と、彼の最新2作品が立て続けに劇場公開されるからだ。

そしてこの2作、共に今年のアニメ映画界を象徴するに足る快作に仕上がっていた!

見るものを選ぶエッジな初期の作風が 人気原作を通じた演出により幅広い層に向く

と、それらを紹介する前に、湯浅監督のキャリアをざっと紹介していきたい。1965年3月16日生まれの福岡県出身。TVアニメ「ちびまる子ちゃん」(1990年~)の初代オープニング「ゆめいっぱい」、および初代エンディング「おどるポンポコリン」の作画を担当し、劇場版『クレヨンしんちゃん』シリーズ(1993年~)は第1作からほとんどの作品で設定デザインや作画などを担当する。

これらの仕事が認められ、2004年には『マインド・ゲーム』で映画初監督。これはロビン西の漫画を原作とした作品で、ひょんなことからヤクザにお尻の穴から銃弾を撃たれて死んだ漫画家志望のフリーターが、現世への強烈な未練によって蘇るという、お話も絵も演出も実にトンがった映画だ。湯浅監督は本作で毎日映画コンクールの大藤信郎賞など数々の賞を受賞するとともに、やたら可愛い絵柄でヲタク向けに発信されがちな当時のアニメに不満を抱きがちなサブ・カル層などの支持を一気に得ることになった。

2006年には初のTVアニメ監督作となる「ケモノヅメ」を、2008年にも同じく監督したTVアニメ「カイバ」を発表。これらは共に湯浅監督のオリジナルで、前者は食人鬼と人間の禁断の恋とそれに振り回される者たちの確執を、後者は人間の記憶がデータ化されデータバンクに保存される未来社会を舞台に、記憶をなくした主人公の再生を描くもの。

と、ここまでの監督作品はいずれもエッジの利いた作風のものばかりで、その分見る者を選ぶマニアックな部分も否定できないところがあった。しかし、2010年に監督した「四畳半神話大系」において初めてTVアニメ作品で原作ものを手掛けたことで大いにステップアップする。

京都を舞台に自意識過剰な大学生が織りなす無意義な日常を、綿密なロケハンや徹底的な早口台詞、ポップな背景などなど、癖のある従来のトンがった演出で描写。さらに人気原作をもとにしたことで、監督独自のユーモアや情感がマニアックな形ではなく、幅広い層に向けて好もしく醸し出された。これによって若者層の心を徐々につかみながら、広く知られる作品へと化していく。

そして、2014年には松本太洋の伝説的漫画を原作とするTVアニメ「ピンポン THE ANIMATION」を発表し、これによりファン層がまた大幅に広がることとなった。

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最終更新:4/6(木) 15:00
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