ここから本文です

地域によって異なる教育施策。どうとらえ、どう対応するか?

4/6(木) 14:00配信

ベネッセ 教育情報サイト

少子高齢化が進む今の日本では、各地でどのようにして人口減少に歯止めをかけるか、とともに、どのようにして地域を担う人材を輩出するかが大きな課題となっている中、教育が果たす役割は大きいと考えられます。今回は、自治体の教育に対する考えや施策の状況、そこから推測される今後の展開について、ベネッセ教育総合研究所の黒木研史と鎌田恵太郎、進研ゼミ受験総合情報センター・センター長の浅野剛がお話しします。

●子育て・教育施策は自治体にとっての重要課題

黒木:2年ほど前に、全国の市区町村を対象に行ったベネッセ教育総合研究所の調査(http://berd.benesse.jp/magazine/research/detail1.php?id=4625)で「子育て・教育に関する考え」を尋ねたところ、「自治体の発展のためには、子育て・教育施策を最優先するつもりだ」という考えに対し、「とてもそう思う」「ややそう思う」と答えた自治体は合わせて約76%。これを首長(市区町村長)だけに絞ると実に約94%になりました。このことからも、自治体トップの意識はかなり教育に向いていることがうかがえます。さらに、同じデータを人口規模別に集計すると、規模の小さいところほど「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答する割合が多くなります。その背景には、子育て・教育施策を厚く行うことで人口減少に有効に働くかもしれない、という期待につながっているのではないか、と考えられます。

●地域ごとにまだらに進む教育施策

黒木:実はいま、いろいろな自治体で、それぞれに教育施策が進みつつあります。小学1年生から英語教育(外国語活動)を行ったり、小中学生全員に一台ずつタブレットPCを貸与したり。また、土曜授業の実施や小・中学校一貫の義務教育学校の設置なども、現在は各自治体の判断で行えるようになっています。さらには、独自の学力検査を実施し、その結果を内申点に反映するといった取り組みを行っている自治体もあります。
ただし、これらの施策は、前述のような首長の「思い」以外に、実現に向けて必要な予算や人材など資源の調達が必要で、自治体によってやれることとやれないことがあるのが現実です。たとえば、ICT環境の整備状況。直近の文部科学省の調査(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1376689.htm)によると、学校における教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数の平均値は1台当たり約6.2人。しかし、都道府県によって、また、同じ都道府県内でも市区町村によってこの数値は異なります。
このように、地域の状況や教育に対する考え方により、教育関連施策は自治体ごとにまだらに進んでいるのです。

1/2ページ