ここから本文です

神戸・摩耶山“廃墟ホテル”が観光地に ツアーで不法侵入抑止

4/6(木) 16:30配信

AbemaTIMES

 夢中でシャッターを切る大勢の人々、その視線の先にあるのは「廃墟」だ。今、全国各地で廃墟観光が話題になっている。人はなぜ「廃墟」に惹かれるのか。

 その理由を探るために訪れたのは、神戸市の東側のある六甲山地のほぼ中央に位置する、標高702mの「摩耶山」だ。

 現在は山頂付近にある天上寺。天上寺はおよそ40年前まで、山の中腹にあった。しかし、1976年の放火によってほぼ全てが焼け落ちてしまい、当時の建物はほとんど残っていない。

 しかし、今、廃墟になってしまった旧天上寺跡を堪能できるツアーが人気だという。番組では今回、ツアーの魅力を知るべく、地元の団体が主催するウォーキングツアー「マヤ遺跡ガイドウォーク」に密着。

■ 廃墟ならではの優美な姿も……「マヤ遺跡ガイドウォーク」
 集合場所は、麓にある摩耶ケーブル駅。ケーブルカーに乗って山頂を目指すという。そしてたどり着いたのは、山頂付近にある掬星台(きくせいだい)だ。ここは、神戸の街が一望できる展望広場だが、夜になると日本三大夜景の1つであるダイナミックな夜景が楽しめる。

 ツアーは、ここから廃墟を目指し、旧天上寺跡や、境内を支えていた石垣などを巡りながら進んでいく。すると、屋根と壁が崩れた木造の建物を発見。ツアー客は許可を得て、特別に中へ入る。そして、地下へ続く通路を進むと、そこにはコンクリートのアーチが。

 これは1926年に建てられた摩耶花壇という宿泊施設の跡地で、山の斜面に沿うように建てられ、オープンテラスもあったという。1960年ごろに取り壊されたが、そのテラスの土台となるコンクリート製の地下室の部分だけが残り、静かに時を刻んでいる。この付近はケーブルカーが開業した1925年頃にはお店が並び、多くの参拝客で賑わっていたという。

 その当時を偲びながら、ツアー客はケーブルカーの駅へと戻っていく。そして、ここで解散かと思いきや、ヘルメットをかぶったツアー客たち。実はこれから向かう場所が、今回のツアーの最大の遺跡だという。たどり着いたのは「旧摩耶観光ホテル」の跡地。

 摩耶観光ホテルは、昭和初期にケーブルカーの会社によって造られ、鉄筋コンクリート造りのその優美な姿から「軍艦ホテル」という異名を持つ。しかし1993年ごろに完全に廃業、山の中で道路もないという立地から取り壊すには莫大な費用がかかるため解体もできず、およそ25年間、ただ朽ちていくだけの状況が続いていたという。

■不法侵入、落書き被害…「ツアーで抑止されれば」
 摩耶山再生の会・事務局長の慈憲一さんは、「『廃墟ブーム』もあって、不法侵入が非常に多くオーナーが困っている。中で火を焚いたり、勝手に入って遭難したり、地元としても困っている状況」と、近年発生している問題を語る。また、老朽化が激しく、侵入すると危険なうえ、さらに落書きや警察沙汰になる被害も多くなってしまったのだという。慈さんは「このツアーで公開することによって抑止されるというか、侵入などがなくなればというのも、このツアーの目的のひとつ」と思いを語った。

1/2ページ

最終更新:4/6(木) 16:30
AbemaTIMES