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原料炭の4~6月積み交渉、豪・大型サイクロンの影響で再開時期不明に

4/7(金) 6:02配信

鉄鋼新聞

 オーストラリア・クイーンズランド(QLD)州を襲った大型サイクロンによって、同州の原料炭輸送用鉄道インフラが壊滅的な打撃を受けたことで、4~6月積みの価格交渉の再開が一段と遅れる見通しとなった。QLD州からの原料炭輸出が本格回復するのは早くて5月以降になるとみられ、高炉メーカー、サプライヤー双方とも当面は交渉のテーブルに着けない状況。一方、アジアの高炉メーカーの間では代替原料確保のための争奪戦も激化。少ないスポット玉を巡って価格が急騰する事態ともなっている。

 QLD州はコークス主原料の強粘結炭のほか、高炉吹き込み用微粉炭(PCI炭)の一大産地。三つある主要輸送鉄道のすべてが不通となっている。港湾在庫が亡くなれば船積みが止まる事態で、既に5社前後の原料炭サプライヤーが不可抗力条項を発動した。
 日本の高炉メーカーと豪州の原料炭サプライヤーとの間で行われていた4~6月積みの価格交渉は、サイクロンの発生を受けて中断。その後再開する見込みだったが、鉄道インフラの復旧に3~5週間程度かかるとの見方が強まってきたことで、再開時期が見通せなくなった。「出荷の見通しが立たないため、サプライヤー側が価格を提示するのは難しい」(市場関係者)状況となっている。仮に交渉の再開が5月以降にずれ込んだ場合、契約期間を変更する可能性もある。
 一方、豪州の強粘結炭の出荷停止を受けて、日本や韓国、インドなどアジアの高炉メーカーの間では代替ソースを模索する動きが広がっている。
 ただ、強粘結炭のソースが限られる中で、カナダなど主要ソースはすでに完売状態。供給できるのは中国の石炭会社や石炭トレーダーなど一部に限られている。
 このため少ない玉に複数の買い手が殺到。中国系トーレーダーのが中国向けに運航中だった米国炭をまるまる転売するケースも出ている。こうしたパニック状態を映して、トレーダー間の取引価格は6日、1トン当たり200ドル台後半まで跳ね上がった。
 サイクロン発生前の中国向けスポット価格は1トン150~160ドルで推移していたため、1週間で100ドル以上値上がりしたかたちだ。
 豪州炭の出荷停止による影響はしばらく続く公算が大きく、スポット価格がさらに上昇する可能性もある。ただ、サイクロンによる需給への影響はあくまで一時的。もともと需給は供給過剰気味だったため、現在のパニック状態が収まれば、価格は反落する公算が大きい。

最終更新:4/7(金) 6:02
鉄鋼新聞