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「トランプ政策の経済効果は2018年まで現れない」?FOMCの見解

4/9(日) 11:40配信

ZUU online

「トランプ経済政策で米経済が強化されるか否か」に市場の注目が集まる中、連邦公開市場委員会(FOMC)では「2018年までは新政策の効果を期待していない」との見方が広がっているようだ。

それと同時に年内決行路線が色濃くなってきたバランスシート縮小にともない、住宅ローン金利などが急上昇するとの意見も出始めた。

■イエレン議長「トランプ政策の影響を前提としない審議結果」

今年3月、連邦準備制度(FED)は新政権誕生以来初の利上げに踏みきった。市場の予想どおり、0.25ポイント引きあげられ0.75%から1.00%と決定した。

「米経済の堅硬な伸びを確信しての判断」と投資家間では受けとめられており、FEDも「米経済がゆるやかな速度で拡大し続けた」ことを認めているが、過去2回(今年3月と昨年12月)のFOMC議事録を比較してみると、FEDが「新政権による政策の効果が現れる期間」を後ろ倒しにしていることがわかる。

2018年の経済成長率見通しは上方修正されたものの比較的控えめなラインにとどまり、GDP成長率、物価、失業率の見通しなども12月から大差はない。短期的な経済見通しへのリスクは「ほぼ均衡化している」とされている。

減税・インフラ投資などの実施が大幅にずれこんでいることもあり、一部のFOMC参加者は「新政策の影響が米経済に現れるのは2018年以降」との見方を強めている。イエレン議長は、「基本的にトランプ政策の影響を前提としない審議結果」であることを強調した。

■バランスシート縮小で住宅ローン金利が急上昇?

一方、3月のFOMCではバランスシートの縮小が年内に開始される可能性が示唆されたため、「住宅ローン金利などが予想以上の速度で急上昇する」との懸念も挙がっている。

議事録では、過去3回にわたる債券購入プログラムで4兆5000億ドル(約497兆5650億円)にまで膨張したバランスシートを「少しづつ予測可能な形で」縮小する必要性と、再投資を「段階的に終了」させることで達成すべきという2点が明確にされている。

縮小の対象となるのは、量的緩和政策で買いあげた大量の米国債と住宅ローン担保証券の保有高だ。縮小は満期還元を迎えた国債などを再投資せず正常なレベルまで減らすことを意味するが、前述したようにFEDは完全に再投資から遠ざかることは視野に入れていないようだ。

縮小ペースや水準などについての具体策は未定であるが、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁は年内開始を妥当な線とし、「縮小プロセスには5年を要する」と見ている。

■追加利上げが中断の可能性を示唆

当然ながら、バランスシートの引き締めが金融状況におよぼす影響が議論の的となっている。FOMC側からはゆるやかな速度で実施するかぎりリスクが低いとの意見が挙がっているが、仏BNPパリバ米部門担当のシニアエコノミストなどは、きわめて懐疑的な見解を示している。

またダドリー・ニューヨーク連銀総裁も、「バランスシートの引き締めには短期金利引きあげ効果がある」とし、信用市場や外国為替市場に影響がおよぶことを認めている。その一方で、バランスシート縮小がすでに「織りこみ済み」であるため、影響が深刻化する懸念は低いとの考えだ。また影響を分散させる意図で、追加利上げが中断される可能性も示唆している。

トランプ政策、利上げ、バランスシート縮小を軸に、米国経済が激動の時期をむかえることは間違いなさそうだ。(アレン琴子、英国在住フリーランスライター)

最終更新:4/9(日) 11:40
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