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【いま大人がこどもにできること(40)】「どういう読み方をしたって自由」に反論する

4/9(日) 20:30配信

ニュースソクラ

本が読めないことを真剣に憂う

前回の、今の子は本をパラパラとめくって眺めることを読書することだと思っているようだ……

 という話をしたら、ある人から「どういう読み方をしても自由なのだから、そういう読み方があってもいいんじゃないの?」といわれました。

 確かにたくさんあるなかの一つなら全然かまわない、と私も思います。

 でも、それしかできない……本気でそれを“本を読む”ということだと勘違いしている、のだったら、やっぱ、まずくないですかね?

 それだけじゃなくて、たとえばシリーズものの五巻をたまたま読んで気に入ったとしますよね。

 そうしたら「六巻は?」とは聞いてくるんですが、なぜか一巻から読もうとは思わない……らしい……というのも同時期に始まったように思います。

 これも最初「!?」だったのですが「前の巻、あるよ」といっても「うーん、いい」とかいわれちゃうんですよ。

 なんで?
 気に入ったんじゃないの? 前に何があったか知りたくないの?

 もちろん、喜んで借りていく人もいるんですが、いままで、前の巻をすすめて断られる……ということはなかった……と思うんだよね。

 これは私の取り越し苦労か?
 それともなんか始まってるのか?

 と思っていたら、あるシリーズものを作っている編集さんが「昔は途中から人気が出たら、前のほうの巻も売れ行きが伸びたのに、最近はそれがないんですよ~」という話をしてくれて「え~、やっぱりそうなの?」という話になりました。

 そういえば、何巻ものファンタジーをバラバラに借りていったりもしてるなぁ。

 あれはもしかして、お話が頭のなかで繋がってないのか?
 繋がらなくても……いい……ってこと?!

 確かに、新しい話は基本読みきりで、どこから読んでもいいものが増えてるけど。
 もしかして、そういうタイプのものでないと読んでもらえなくなりつつあるの?
 長い長いドラマを頭のなかで繋げて再生するのがしんどいの?

 でも、出版社の売り上げに影響がでてるくらいなら、全般的にそっちの傾向になってってるんだな、と思ってもいいよね?

 いま中学生にはめぼしい当たりがなくて、本当に活字も読まなければ、マンガすら読んでません。

 電子ブックは高いから買わない(中学生はなんのかんのいっても基本ビンボーです)し、ライトノベルも30代にもってかれちゃったし、ボカロですらそろそろ下火だ……。
 アニメですら、見てるのがない!

 なんでもいいから買ってあげるよ、といっても「うーん……別に……」といわれてしまう……。

 テレビドラマの原作やアニメの原作は一応読まれるけどそんなに動く訳じゃない。

 うんとレベルの高い学校にいってしまえば、それこそ『罪と罰』や『戦争と平和』が動く……。

 低めのとこでは『モデルに聞いた怖い話』や占いの本がウケる本です……(そうしてそういう学校が一番、将来なりたい職業、ユーチューバー、が多いんですよ)。

 どっちにもいけない、そこそこの中堅層は、ホントになんにも読んでない!
ように見えます。
 もうラノベいらない、っていわれちゃったし……。

 という中学と比べると「読もう、読みたい」という欲求が働く小学生はまだマシなのか!? とも思えます。

 本気で、マジで、本の将来危ないし、日本の未来もヤバいです。
 文字を追えない、ということは、考えることができないってことなんですから……。

■赤木 かん子(本の探偵)
1984年、子どもの本の探偵としてデビュー。子どもの本や文化の評論、紹介からはじまり、いまは学校図書館の改装からアクティブラーニングの教えかたにいたるまで、子どもたちに必要なことを補填する活動をしている。
高知市に「楽しく学校図書館を応援する会」として学校図書館モデルルームを展開中……。
著書多数。

最終更新:4/9(日) 20:30
ニュースソクラ