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ジビエ生産量把握へ 利用拡大 てこ入れ 農水省が統計調査

4/9(日) 7:00配信

日本農業新聞

 農水省は、国産の野生鳥獣の肉(ジビエ)の生産量に関する初の統計調査に乗り出す。全国の食肉処理施設に聞き取り調査を行い、2017年度中に結果を公表する予定だ。国内生産量がどの程度あるのか明らかにすることで、国が販売目標を作れるようになる。生産の実態を「見える化」して、政府が本腰を入れるジビエの利用拡大に役立てる。

 野生鳥獣の捕獲数に関する統計はあるが、ジビエの生産量を取りまとめるのは初めて。生息数が多いイノシシと鹿を対象に、全国の食肉処理施設が1年間に精肉加工したジビエの量を集計し、公表する方針。現在は具体的な調査方法の検討など、準備を進めている。

 統計を始めるのは、ジビエの推進策を打ち出すのに当たって国内での生産量を正確に把握する必要があると判断したからだ。食肉処理場の取引実績から集計する牛や豚と違い、ジビエは各食肉処理施設が加工や販売を行うため、全国的な取りまとめができていない。同省は「実際の生産量が分からないと、消費拡大の目標が立てにくい」(鳥獣対策室)と意義を説く。

 同省は、ジビエの生産量が集計できれば、需要量とのギャップがどの程度あるのかを把握することができ、販売のてこ入れ策の検討に役立つとみる。直近のデータを基準に、需要の掘り起こしなどを通じて、将来的にジビエの生産量を増やす目標の立案も可能になる。

 同省は「外食などの大口の実需は、生産量がはっきりしないと取引を足踏みさせてしまう。統計データを民間にも活用してもらい、ジビエの利用拡大につなげたい」(同)と期待する。

 政府は、今後10年間でイノシシと鹿の生息数を半減させる目標を掲げる。捕獲に力を入れるが、ジビエに活用されるのはわずか1割。このため官邸主導でてこ入れ策の検討に着手しており、ジビエの推進を通じて農村の所得を増やし、狩猟者の意欲の向上を後押しする方針だ。

日本農業新聞

最終更新:4/9(日) 7:00
日本農業新聞