ここから本文です

定期預金が遺産分割の対象に 自動的に分割はされず 最高裁判決

4/10(月) 6:40配信

ZUU online

遺産分割が行われる際、相続人の受け取り分を決める「遺産分割」の対象に故人の定期預金が含まれるかどうかを争った裁判で、2017年4月6日、最高裁判所は「定期預金は遺産分割の対象に含まれる」との判断を下した。判例では、預貯金は遺産分割の対象ではなく、相続人に当然に分割されるものとされてきた。2004年の最高裁の判例でも、「預貯金は法定相続分に応じて当然に分割される」とされていた。今回、定期預金も遺産分割の対象となるという判例が出たことで、遺産分割が変わりそうだ。

■預金は当然に分割されるものだった

預貯金は、不動産、株式など他の財産とは関係なく、法定相続の割合に応じて相続人に分割されるものとされてきた判例が覆ったのが、2016年12月19日だ。

2016年12月の判例では、遺族二人のうち片方が故人から生前、5000万円を超える贈与を受けていた。そのため、もう片方の遺族が生前贈与を考慮せずに、預金約4000万円を2分の1ずつにすることは不公平と主張。一、二審は過去の判例通りに当然に分けることとし、訴えを退けた。しかし、最高裁はこれを差し戻し、預金は遺産分割の対象となるという判決が下った。

■普通預金・定期預金のどちらもが分割対象になる

2017年4月6日 に判決が下ったのは、故人の定期預金と定期積金を遺産相続人の一人が「法定相続分に応じて分割された」と主張し、預け先を相手取って払い戻しを求めたもの。一審、二審はどちらも払い戻しを認めたが、最高裁第一小法廷(池上正幸裁判長)が、「定期預金は自動的に分割されない」として、原告の請求を退けた。

2016年12月の判決で、最高裁は「できるだけ幅広い財産を対象とすることが望ましい」として判例を変更した。しかし普通預金が審理の対象だったため、定期預金や定期積金などについては判断が下されていない状態だった。

今回の判決により、預金が遺産分割の対象となることで、公平な分割を行いやすくなるだろう。その一方で、遺産が預金しかない場合などは従来よりも相続の手続きの手間が増える面も考えられる。

特に注意が必要なのが預貯金の凍結だ。従来、各相続人が金融機関などに法定相続分の払い戻し請求が行えたが、今後は払い戻しができなくなる。葬儀費用など早急に現金を用意したい場合は、あらかじめ遺言などで受け取れるようにしておかなければならない。相続については早めに対策を講じる必要があるのは間違いないだろう。(ZUU online 編集部)

最終更新:4/10(月) 6:40
ZUU online