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メスだけで繁殖する外来ザリガニ「ミステリークレイフィッシュ」日本に上陸

THE PAGE 4/11(火) 17:40配信

 今年の3月末に、愛媛県松山市の河川で見慣れないザリガニが発見されたというニュースが流れました。記事を読んで見ると、見つかったのは「ミステリークレイフィッシュ」と呼ばれる外来種のザリガニでした。

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 しかも、記事には、このザリガニはメスだけでクローン繁殖する珍しい種であり、野生化すると大繁殖してしまうかもしれない、ということも記されていました。

 国内では、ペットとして流通しており、今回発見された個体もおそらく飼育されていた個体が逃がされたものであろうと考えられています。

 2003年にNature誌に発表された論文によれば、このザリガニは、もともとは北米に生息しているProcambarus fallaxというザリガニが変異して単為生殖(クローン繁殖)を行う系統となったものと推測されています。

単為生殖をする珍しい「ミステリークレイフィッシュ」

 この論文の著者であるドイツのフンボルト大学Scholtz博士も、ザリガニの仲間で単為生殖をする種はこれまでに報告はなく、このミステリークレイフィッシュは生殖様式に進化を研究する上でも興味深い材料であるが、同時に、爆発的な繁殖力を示すことから外来種として生態系に脅威を及ぼす恐れがあることを指摘しています。

外来ザリガニの代表格「アメリカザリガニ」はウシガエルのエサとして導入

 日本には、このほかにも以前から外来ザリガニが繁殖して問題になっています。代表的な種がアメリカザリガニになります。真っ赤な身体に立派な鋏をもつアメリカザリガニは、ペットや実験動物としても国内で広く愛用されていますが、もともとはウシガエルの餌用に1927(昭和2)年に北米から輸入されたものです。

 ちなみにウシガエルは1918年に食用として、同じく北米から輸入された外来種。どちらも、あのマングース導入に一役買った東京帝国大学教授で動物学の権威・渡瀬庄三郎先生であったというエピソードは有名です。

 ウシガエルは今や、有害な外来生物として、環境省「外来生物法」の規制対象種である「特定外来生物」にも指定されて、全国各地で防除活動が進められていますが、昭和初期から戦後にかけての日本の近代化および復興の時代において重要な食糧資源として重宝されてきました。

 アメリカザリガニもまた導入時は、ウシガエルの生産を支える資源として、また日本人の食糧資源としても活用されたのです。しかし、日本経済が豊かになり、これらの外来種を食糧として必要なくなったことで、今では厄介な外来生物としてそのステータスが転落しました。

 アメリカザリガニは水の汚れた水域でも生息できて、日本全国の水田や用水路、ため池、湖沼等で旺盛に繁殖して、水草や稲に大きな被害をもたらします。またトンボのヤゴなど、水生昆虫類を補食し、水生生物の多様性低下も引き起こします。

 アメリカザリガニは、今でも食べようと思えば食べられないことはないのですが、泥抜きをしっかりしないと臭みが気になるのと、身体の大きさに比べて食べる部分が少なく、手間の割には満足感が得られにくいことが、特に日本人にとっては難点のようです。

 筆者は、中国・北京市のレストランで食べたことがありますが、香辛料をたっぷり使って炒められたザリガニは想像以上に美味しかったのを覚えています。手袋をはめて、みんなで円卓を囲み、ワイワイ言いながら大きなボウルからザリガニ炒めを取り出し、手でむいたザリガニをソースで口の周りを真っ赤にしながら食べるのはとても楽しかったですが、今の日本人にこうした食のスタイルは異質なものに映るかもしれません。

 ところで、かつて食用に輸入され養殖されながら、今では有害外来生物となってしまった外来種にオオクチバスという肉食魚も挙げられます。日本の淡水生態系ではオオクチバスのような大型の肉食魚は進化して来なかったので、自然状態では恐らくオオクチバスが持続的に個体群を維持することは難しいと考えられます。彼らが日本の湖沼で旺盛に繁栄できるのも、日本人自身が湖沼環境を改変し、様々な魚を漁業資源として移送・放流し、オオクチバスにとって棲みやすい生息地を提供してきたからであるといえます。

 実は外来種のアメリカザリガニもオオクチバスにとって貴重な餌資源となり、その個体群の成長に寄与してきました。なので、オオクチバスとアメリカザリガニが同所的に生息している水域では、オオクチバスだけをさきに駆除してしまうと、アメリカザリガニが爆発的に増えて、水草を台無しにしてしまい、かえって水環境が悪化するという事態も起こります。

 こうしたケースではやはり、餌となるアメリカザリガニと天敵となるオオクチバスを同時並行して計画的に駆除する必要があり、非常に労力とコストを要することになります。いろいろな外来生物が野生化する中で、外来生物同士で新たな生態系が築かれていることを指し示しているとも言えます。

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最終更新:4/17(月) 5:52

THE PAGE