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ダライ・ラマ、中印係争地を訪問 中国は反発

朝日新聞デジタル 4/10(月) 22:42配信

 インドに亡命したチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が、インドと中国が領有権を主張している印北東部アルナチャルプラデシュ州を訪れた。同州はインドが実効支配している。中国は「分離主義者」と批判しているダライ・ラマの訪問をインドが認めたことに反発を強めている。

 ダライ・ラマは7日から、インド側が主張する国境線に近く、チベット仏教寺院のある同州タワンを訪問。10日まで宗教行事に参加した。11日に亡命政府をおくダラムサラに戻る予定だ。ダライ・ラマの同州への訪問は、2009年以来7回目となる。

 亡命政府などによると、ダライ・ラマ14世は、後継の15世の「転生」認定を巡る中国政府の関与について「ナンセンスだ」と批判。「中国政府は毛沢東や鄧小平の生まれ変わりをまずは探せばいい」と語った。

 中国併合前のチベットと、インドを植民地支配していた英国が1914年に国境として定めたマクマホン・ラインを、インドは国境線として主張。中国はこれを認めず、62年の中印国境紛争では中国軍が同州全域を一時占領。兵を引いた現在も領有を主張している。タワンは59年、ダライ・ラマが中国軍によるチベット侵攻から逃れ、最初に来た町として知られる。

 中国外務省の華春瑩副報道局長は5日の定例会見で「インド側が中国側の懸念を顧みず、ダライを中印国境の係争地域で活動させることは、中国側の利益と中印関係を甚だしく損なうものであり、断固反対する」と激しく反発した。さらに「中国は自らの領土主権と正当な権益を守るため必要な措置を取るだろう」と主張。翌6日には、北京のインド大使館とニューデリーのインド外務省に対して「厳正な交渉」を提起したことを明らかにしている。

 一方、インドのリジジュ内務担当相は「あくまでも宗教的な訪問であって、中国は内政干渉をすべきではない」と主張した。(ニューデリー=奈良部健、北京=西村大輔)

朝日新聞社

最終更新:4/10(月) 22:42

朝日新聞デジタル