ここから本文です

成績アップに必要な学習行動を「確率」から導く!?

4/10(月) 17:02配信

ベネッセ 教育情報サイト

「勉強が続く! わかる! 『ビッグデータ』時代の家庭学習」の連載も、第6回を迎えました。今回のテーマは、ズバリ「テストの得点アップ」です。テストでよい点をとりたいというのは、誰しもが思うこと。それでは、成績優秀者は、実際にどのような学習をしているのでしょうか。デジタル教材の学習記録を分析すると、どんな学習行動(=原因)がテストの得点(=結果)と結びついているのか(因果関係)が見えてきます。

ベネッセコーポレーションでは、進研ゼミの学習記録をもとに「ベイジアンネットワーク」という分析モデルを用いて、その因果関係を明らかにする取り組みを行っています。今回は、分析結果が子どもの学習にどう役立つのかについて、ゼミカンパニー・分析センターの山本るり子に話を聞きました。

Q.「テストの得点」と「学習行動」の関連を分析しようと思ったのはなぜですか?

-私たちは、「成績を上げたい」という子どもたちの気持ちに応えられるように、今までもさまざまな学習方法を提案してきました。教材の中にも、できるだけ楽しく学習が続けられる工夫を盛り込んでいます。しかし、そうした働きかけは、どこまで理にかなったものなのか。それを確かめてみたいという気持ちがありましたし、もっと良い学習方法がないのかを追求したいという思いもありました。

-進研ゼミには、デジタル教材を利用してくれた多くの子どもたちの学習記録データがあります。これを活用すれば、どのような学習がテストの成績を高めているのかを推論することができます。そこで、人工知能の領域にも応用されている「ベイジアンネットワーク」という分析モデルを使って、「テストの得点」と「学習行動」の関連を分析してみることにしました。成績アップに効果的な学習行動が見つかれば、それを一人ひとりに対する働きかけや教材づくりに生かせるのではないかと考えたわけです。

Q.「ベイジアンネットワーク」とは、どのような分析ですか?

-一般的にはまだ聞き慣れないかもしれませんが、何かが起こる可能性を確率的に予測する分析モデルとして活用されています。例えば、ある病気になった人、ならなかった人の複数の生活行動(喫煙、飲酒、睡眠不足など)のデータがあったとします。これを「ベイジアンネットワーク」でモデル化すると、それぞれの生活行動がどのような関係にあり、またどれくらいの確率で病気に影響するのかがわかります。すると、その病気にならないために毎日の生活でどんなことに気をつければよいのか、予防指導に生かすことができます。

-同様に、「テストの得点」とともに、日々の学習行動(学習日数・時間、学習内容、学習方法など)のデータがあれば、一定の成績(=合格点)をとるのにどのような行動が有効なのかが確率からわかります。例えば、学習日数が変わると合格点をとる確率はどれくらい変わるのか。内容Aを学習すると確率はどれくらい上がるか、といった具合です。しかし、実際には、それぞれの学習行動に複雑な関係があります。その関係を図に表すと蜘蛛の巣のようなネットワークに見えます。

1/2ページ