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空港出資条例案12日再議、VS自民福岡市議団 市長優位、出直し選も視野?

産経新聞 4/11(火) 7:55配信

 福岡空港への市の出資をめぐり激化した福岡市の高島宗一郎市長と、自民党市議団の対立は12日、同市議団が提案した条例案の議決やり直し(再議)という局面を迎える。同市議団からの離脱が相次ぎ、否決・廃案となる公算が膨らむ上、市長サイドは再議後の不信任決議案や出直し市長選の可能性さえ、見越している節もある。これまでのところ、高島氏ペースで進んでいるようだ。(九州総局 村上智博)

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 「(市長サイドの)切り崩しは予想していたがショックだ。ぎりぎりまで努力はするが、おそらく否決されるだろう」

 自民党市議団の光安力会長は7日、4人目の会派離脱を受けて、記者団にこうぼやいた。

 両者の対立は、空港民営化後の市の出資の是非をめぐり勃発した。

 高島氏は昨年秋、「市財政のリスクになる。それより子育て支援などに使うべきだ」として、出資見合わせを決断した。公明党などは「予算は限りがある。市民目線に立つなら、市民サービスをする方が賢い」(県本部幹部)と、高島氏に賛同した。

 だが、自民党市議団は、民営化後も空港運営に関与すべきだとして、出資を迫った。自民党推薦で高島氏が再選した平成26年の市長選や、直後の衆院選を通じて、一部の議員に高島氏への不満がくすぶっていることもあった。

 今年2月、出資しないことを前提に市が提案した「福岡空港未来基金」条例案について、同市議団は共産、維新などと反対に回り、否決に追い込んだ。3月に、出資を市に求める条例案を提案・可決した。

 高島氏は「拒否権」に当たる再議で対抗した。

 再議では可決ハードルが高くなる。過半数ではなく、出席議員の3分の2以上の賛成がなければ、可決しない。全62議員が出席した場合、42人が賛成しなければ、廃案になる。

 しかも、市長との対立を深める自民党市議団から離脱者が相次いだ。これまでに4人が離脱し、再議での否決が現実味を帯びる。市議団は動揺した。

 しかも、再議で条例案が可決されたとしても、出資はあくまで努力義務であり、高島氏は「子育て支援が優先」と拒絶もできる。

 「緊張感がない」

 一方、高島氏サイドは先をにらむ。

 地方自治法によると、市町村議会は首長への対抗措置として、不信任決議案を出せる。

 決議案が可決された場合、首長は、辞職または議会解散のいずれかを選ぶ。高島氏には、市民に出資の是非を問う「出直し市長選」に打って出る選択肢もある。

 平成26年、大阪市の橋下徹市長(当時)が大阪都構想をめぐって、辞職・出直し選挙に踏み切った。このとき、橋下氏に批判的な政党は、候補を擁立しなかった。高島氏は、このケースの再現を狙っているとの見方もある。

 いずれにせよ、高島氏の強気の背景には、自民党が実施した世論調査などでの高い支持率がある。

 「市議団が市長とけんかをするなら、市長が言うことを聞く仕組みをつくらないとダメだ。自民党市議団はずっと、市長との緊張感がないままやってきた。だから、なめられるんだ」

 ある自民党ベテラン県議はこう指摘し、同党市議団を突き放した。

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【用語解説】不信任決議

 地方自治法に基づき、議員数の3分の2以上が出席し、4分の3以上の賛成で可決・成立する。

 可決された場合、首長は10日以内に議会を解散できる。議員選挙後に、不信任決議案が再可決(出席議員の過半数)された場合、首長は失職する。

 議会を解散しなければ首長は失職し、首長選挙が実施される。失職した首長の再出馬は可能。

最終更新:4/11(火) 7:55

産経新聞