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東芝、上場廃止危機もメモリ事業は好調

EE Times Japan 4/11(火) 21:31配信

■独立監査人の適正意見得ずに異例の決算発表

 東芝は2017年4月11日、発表が遅れていた2017年3月期第3四半期(2016年4~12月期)決算を発表した。今回、発表した決算は、独立監査人から決算内容が「適正」との結論を得ず、独立監査人の結論不表明という状態での異例の発表となった。

【2017年3月期第3四半期決算(9カ月累計)業績】

 東芝社長の綱川智氏は独立監査人からの適正意見表明を受けない中での決算発表について「独立監査人のご理解を得るべく、調査を尽くしてきた。適正意見表明を得るメドがたたないため、極めて異例だが不表明という形で決算発表に至った」と話した。公表した決算内容についても「(内容には)自信がある。60万件のメールをチェックするなど調査しても、何も会計に影響するようなことは出てこなかった」と言い切った。

 適正意見表明のない決算開示は、東京証券取引所(東証)の上場規則に抵触する恐れのあるもので、上場維持も危ぶまれる状況だが綱川氏は「東証が判断することであり、コメントは控える」とした上で「上場廃止にならないように懸命に努力する」と語った。

■エネルギー事業除き増益

 開示した2017年3月期第3四半期決算(9カ月累計)は、売上高3兆8469億円(前年同期比1666億円減)、営業損益5763億円の赤字(同比3444億円の悪化)、当期純損益5325億円の赤字(同比531億円の悪化)。売上高は主に欧米での消費者向けPC販売事業撤退影響が響き、前年比減収。損益面については、原子力事業におけるのれん減損7166億円により大幅な損失計上となった。この結果、株主資本はマイナス2257億円で、債務超過に陥った。

 2016年10~12月3カ月間のセグメント別売上高は、エネルギーシステムソリューション事業とストレージ&デバイスソリューション事業の2事業のみが増収。セグメント別営業損失は、エネルギーシステムソリューション事業を除き前年同期比増益、黒字を達成している。

■メモリ、HDDは好調

 特にNAND型フラッシュメモリ、HDDを主力とするストレージ&デバイスソリューション事業の業績は好調だ。2016年10~12月の3カ月間におけるNANDフラッシュビジネスの営業利益率は販売価格が前四半期比6%ほど上昇したことなどから23%に達し、2016年4~12月9カ月累計期間における利益率も16%にまで上昇したという。2017年3月期第4四半期(2017年1~3月)のNANDフラッシュの営業利益率については、「(第3四半期よりも)やや改善している」(東芝専務 平田政善氏)とした。

 「NANDフラッシュは、2017年度(2018年3月期)前半もかなり(需要が)見えていて、好調に推移する見通し。HDDについても順調に推移していく見通し」(平田氏)

 また3次元構造のNANDフラッシュ(3D NAND)の生産状況については「歩留りは順調に改善している。まだ(NANDフラッシュ全体に占める3D NANDの生産)比率は低いが、2018年度は(従来構造のNANDフラッシュと)半々にしていく」とした。

 債務超過に陥るなど厳しい財務状況が続くが平田氏は「3D NAND増産など大切な時期であり、メモリ事業における投資計画は変更しない」と明言した。

 なお、メモリ事業については2017年4月1日付で分社化し子会社の東芝メモリに事業を移管。東芝メモリについては、東芝本体の財務体質改善を目的に過半株式譲渡を前提にした売却を予定している。

最終更新:4/11(火) 21:31

EE Times Japan