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【詳細レポート】L'Arc-en-Ciel、<25th L'Anniversary LIVE>初日「L'edの輝きには君たちの想いが溢れていました」

4/11(火) 22:13配信

BARKS

L'Arc-en-Cielが2017年4月8日(土)および9日(日)の2日間、東京ドームにて<25th L'Anniversary LIVE>を開催した。バンド結成25周年ライヴとなる同ステージは、度肝を抜く演出と珠玉の楽曲たちがドームを華麗に染め上げて実に痛快で感動的。2Daysにわたって計11万人を揺らし続けた同公演のレポートをお届けしたい。

◆L'Arc-en-Ciel 画像

L'Arc-en-Cielのライヴとしては<L'Arc-en-Ciel LIVE 2015 L'ArCASINO>以来1年7カ月ぶり、自身の東京公演は2014年の国立競技場公演<L'Arc-en-Ciel LIVE 2014 at 国立競技場>以来。さらにいえば、東京ドームでの公演は<L'Arc-en-Ciel TOUR 2008 L'7 -Trans ASIA via PARIS->以来8年10ヵ月ぶりであり、まさに“待望”のステージが、<25th L’Anniversary LIVE>となる。

ファンの渇望感を示すように、チケットには60万人の申し込みがあり、11万枚のチケットは即ソールドアウト。また、国内はもとより世界各地の映画館でライヴビューイングの実施など、ライヴ開催前から話題が事欠かない。<25th L'Anniversary LIVE>特設サイトで展開したWeb企画『Mission:L'Arcollection』には、アプリ配信時に全世界から約2000万のアクセスが集中し、一時WEBがつながりにくくなる事態も発生したほどだ。

初日4月8日、会場に入って驚いたのはこれまでに見たことのないドームの景色だった。通常のドーム公演であれば、ファールポールよりステージ側にオーディエンスの席が設けられることはないが、ステージ真横の“ウィング席”からステージ裏の“ステージバック席”まで続いてオーディエンスに隙間がない。興奮に沸き立つ熱気は水蒸気となって白く霞み、その向こう側にみえる左右幅100mはあろうかというステージが中央に大きくそびえていた。ステージセットは黒一色。トリコロールカラーが美しいtetsuyaのスピーカーキャビネットだけが一際存在感を発している。

開演時間の18時を少し回ったころ、場内が暗転した。ステージ両翼のLEDスクリーンに映し出されたのは、「かつてL'Arc-en-Cielと呼ばれた伝説のバンドがいた」という文字だ。これは前述の『Mission:L'Arcollection』を受け継ぐストーリーであり、映像は、西暦9125年の未来でL'Arc-en-Cielについて調べていたEllie Cranc(エリー クランク)が、西暦2017年に開かれた<25th L'Anniversary LIVE>に関する史実が消えてしまったことに気づくというもの。『Mission:L'Arcollection』は、世界中に散ったL'Arc-en-Cielに関するピースを集めることで、消えてしまいそうな世界や歴史を取り戻すというミッションで、Ellieは“それらをクリアしたファンの力によって「今日、すべてのピースが揃った」”と告げた。場内が再び暗転、未来を取り戻すべく今、遂に彼らが姿を現す。

暗闇に浮かび上がったのは、ベース指板上のLEDポジションマークが放つ赤い光。その美しさに目を奪われていると、ギターのアルペジオが響き渡った。オープニングナンバーは「虹」だ。ここ数年のライヴではクライマックスに演奏されることが多い同曲による幕開けは意表を突くもの。加えて、イントロからサビに移り変わる場面でブレイクするという新アレンジがドラマティックでもある。ステージから放射される7色の光がこれに拍車をかけ、5万5千人の大歓声が一気にうねりを上げて止まない。

黒いドラムセットにゴシック調の黒い衣装で淡々と、しかしエモーショナルにビートを刻むyukihiro。真っ赤なジャケットとピンクの5弦ベースという鮮烈な出で立ちによるtetsuyaのフレーズは楽曲の感情をなぞるように深くメロディアス。黒と縦縞がミックスされたジャケット姿のkenのギターソロは、広大なドーム空間に響き渡るロングトーンがあまりにも輝かしい。そして、ピラミッド状の階段の頂点から歌うhyde。白を基調としたアラビア風スタイルの衣装が風になびいてエレガントだ。4人の圧倒的な存在感とサウンドが、のっけから東京ドームをひとつにしてしまった。

黒一色に見えたステージセットは、実は超巨大なLEDスクリーンだった。続けて披露された「Caress of Venus」では、このLEDスクリーンがカラフルに楽曲を彩ることに一役買っていた。投げKISSする姿や「TOKYO!」と叫んだhydeの表情を大きく映し出したほか、2つのハイハットを駆使して16ビートを疾走させるyukihiroの華麗なスティックさばきをとらえるなど、楽曲本来が持つ華やかさにブーストを掛ける。頭打ちのビートが鳴っただけで客席が大きく反応したのは「the Fourth Avenue Café」。「TOKYO! JUMP! JUMP! JUMP! JUMP!」というhydeの言葉に合わせて、文字通りドームが揺れる。同曲では、tetsuyaがステージ下手の最先端へ、hydeがステージ上手の最先端へ躍り出て、ウィング席、ステージバック席からの悲鳴にも似た歓声がダイレクトにアリーナへ届くなど、その相乗効果で歓声がドーム内をこだまするようだ。

「<25th L'Anniversary LIVE>へ、ようこそ! こんなにたくさんの人に集まってもらえて本当に幸せです。今日は日本中の映画館にも中継されています。このステージの裏にもドエルがいます。みんな、心はひとつだよね。そして、肝心なメンバーがいます。天然記念物みたいなものですから、なかなか目にかかれない(笑)。L'Arc-en-Ciel、25歳になりました。それもすごいですけど、25年間これだけ愛されているのはもっとすごいと思います。四半世紀ですよ、kenさん」──hyde

「いろいろ考えたんだけど。レッサーパンダ、この25年の間に立ったよね。ウーパールーパーよりオレらのデビューが先?」と続けようとするkenに、「もう大丈夫です(笑)」とhydeが制する爆笑のやり取りは、彼らならではの変わらぬ穏やかな空間でもある。「ここで、久しぶりに“錬成”をしてみたいと思うんだけど? まだまだ君たちバラバラだから、ひとつになろう」とオーディエンスを促して、5万5千人のウェーブがドームに完成した。これらは、オープニングからわずか3曲の出来事だが、とにかく演奏もパフォーマンスも演出も桁外れに濃度が高い。

hydeがブルースハープを手にした「flower」や、kenのクランチトーンによる16分カッティングとtetsuyaのグルーヴィーなフレーズが躍動する「Lies and Truth」は1990年代中期の代表曲。「Lies and Truth」では過去楽曲のミュージックビデオが映像にコラージュされて、その歴史を感じさせる一場面にもなった。LEDスクリーンに映し出されていた歯車が止まって白煙を吹き、ステージ上の6本のトーチが火を灯すと、場内の空気が一変する。

果てしなくストレートな軌道を描く「fate」が金属的でクールな質感を生み出し、その上をタバコをくわえたkenのフレーズがスモーキーに漂う。続けて演奏された「forbidden lover」が圧巻だった。2011年5月に開催された<L'Arc-en-Ciel 20th L'Anniversary LIVE>のスクリーン上で、「今日ここへ来れなかった人の想いも 連れて行きます 共に乗り超えよう」とメッセージした直後に披露された同曲の感動を思い起こしたファンも少なくないはず。“乗り越えて”、今日の喜びを共有できたファンもいたことだろう。そのエンディングでは、LEDスクリーンが炎を映し出して燃えさかる「Shout at the Devil」へ。ステージ前方には十数本もの火柱が上がり、ラストに花火が打ち上げられるというド派手な演出など、このブロックからは深いドラマを感じられた。

メンバーが一旦ステージを降りた場内に「REVELATION」のリズムパターンが鳴り響き、5万5千人が身につけた“L'edバンド(無線機能付きリストバンド型ライト)”が赤い光を点滅させる。ここまでもアッ!と驚く演出の数々はあったが、仕掛けという意味で誰もが?然としたのが、このセクションだろう。下手からVタイプのギターを手にしたtetsuya、スタンディングでスチールドラムを連打するhydeとken、そしてローランドの名機G-707(ギター)を手にしたyukihiroが横一直線に並ぶステージが、そのまま上方へ移動。そのステージごとアリーナ中央上空を縦断して、「REVELATION」を演奏しながら最後方へ移動してしまったのだ。「近くに来たよ」と挨拶したhydeが、ここサブステージで演奏する次のナンバーを紹介した。

「みんな、いっぱい曲をリクエストしてくれてありがとうね。25周年なので、この曲がL'Arc-en-Cielの原点みたいな気がするなっていう曲を選びました。この曲をkenちゃんが持ってきたときに、“こんな曲をやれるんだ。嬉しいな”と思ってレコーディングした記憶があります」──hyde

披露されたのは、インディーズ時代の1stアルバム『DUNE』収録曲「Voice」だ。ライヴで演奏されるのは<20th L'Anniversary LIVE>以来とあって、大歓声が同曲を迎えた。そして、「はっちゃけよう!」というhydeの声に続いて「X X X」へ。このセクションを前に衣装を替えていたhydeが軍服帽をかぶり、艶やかな表情でアリーナ後方や1階スタンドのファンを魅了するなど、サブステージでもアクセル全開のステージが展開される。同曲演奏後には、再びステージごとメンバーが空中移動。カラーボールを場内に投げ入れたり、設置されたビデオカメラで観客を映したりと、移動中もエンターテイメント溢れるシーンとなった。

さらには、LEDスクリーンに秘蔵映像として、初期のライヴやツアー中のオフショット、Music Clipのメイキングシーンなどが映し出され、25年の歴史と彼らの素顔が垣間見られる一幕も。これら秘蔵映像の最後には1998年7月当時、藤原組長の起用でも話題となったシングル3作同時リリースのCMスポットが流されて、場内暗転。続けて演奏されたナンバーは、もちろん「花葬」「浸食 -lose control-」「HONEY」の3連打だ。黒い衣装に身を包んだhydeと、純白の衣装をまとったtetsuyaの対比もスタイリッシュでクール。ライヴ後半へ向けて会場のヴォルテージが最高潮に達したかのような盛り上がりをみせた。

LEDスクリーンがkenの手元をクローズアップするとギターソロへ。ブルージーなチョーキングや幻想的なヴォリューム奏法、透き通るアルペジオフレーズがkenの心象風景を描き出し、やがてそのフレーズは「MY HEART DRAWS A DREAM」のテーマメロディへ移行する。これにシンセフレーズが呼応して楽曲を導くという構成が実に有機的。また、楽曲タイトルにふさわしい近未来の街がLEDスクリーンに映し出された「NEO UNIVERSE」では、映像から飛び出してきたかのごとく近未来CARがドームの上空を浮遊するという遊び心も。

tetsuyaの歪んだベースサウンドは「STAY AWAY」の狼煙にして、怒濤の展開の幕開けを告げるもの。「Driver's High」「READY STEADY GO」といった大ヒットシングルが疾風のごとく駆け抜けた同ブロックでは、アンプにつながるシールドをワイヤレスに替えたkenがランウェイに躍り出てオーディエンスを煽る。「Driver's High」のギターソロではkenの隣でhydeが音に身を委ねて頭を振るなど微笑ましいシーンも。「待ってたんだろ?会いたかったんだろ? ARE YOU READY?」というhydeのMCに導かれた「READY STEADY GO」が場内を一層沸き立たせ、そのエンディングのyukihiroによるソリッドでタイトなドラムプレイがライヴを完全燃焼へと導いた。

しかし、ステージはまだまだ終わらない。長いインターバルを挟んで演奏されたのは新曲「Don't be Afraid」だ。ライヴ初披露となった同曲は、御存知バイオハザードとのコラボで注目を集めた最新シングル。怒りや悲しみを感じさせる旋律が、サビの転調によって盛り上がりを増幅させるなど、ライヴ映えする楽曲として印象づけられたはず。「Blurry Eyes」では過去のライヴ映像と現在がシンクロ。客席エリアに数十個の巨大風船が投入された「Link」では楽曲の途中にブレイクを挟み、hyde曰く「10年ぶりのメンバー紹介」が行われた。そして、いよいよラストナンバーへ。その前にhydeがオーディエンスへ改めて感謝の言葉を語った。

「始めたころは、夢だけはありました。あと根拠のない自信ね(笑)。25年歩いてきたんですけど、すごく長かった気がするな。みんなから見ると順風満帆に思えるかもしれないけど、山あり谷ありでした。メンバーやスタッフ、みんなが努力してここに来れたんじゃないかなと思います。だけど何より、君たちの力がなければ、今日、ここに立つことはなかった。本当にありがとうございます。みんなL'edバンド付けてる? そのひとつひとつのピースの輝きには、君たちの想いが溢れていました。だから、ここから見る光景は、その輝き以上に美しかったです」──hyde

ラストナンバーは「あなた」。“♪胸にいつの日にも輝く あなたがいるから”という大合唱がドーム全体に響き渡り、それを祝福するようにステージ上には幾つもの白い羽根が舞い降りて、初日のステージが感動的に幕を閉じた。東京ドームは、全23曲全3時間の余熱を残して、明日2日目へ続く。

取材・文◎梶原靖夫(BARKS)
撮影◎今元秀明/岡田貴之/緒車寿一/加藤千絵/田中和子

■<L'Arc-en-Ciel 25th L'Anniversary LIVE>2017年4月8日(土)@東京ドームSET LIST
01. 虹
02. Caress of Venus
03. the Fourth Avenue Cafe
04. flower
05. Lies and Truth
06. fate
07. forbidden lover
08. Shout at the Devil
09. REVELATION
10. Voice
11. X X X
12. 花葬
13. 浸食 -lose control-
14. HONEY
15. MY HEART DRAWS A DREAM
16. NEO UNIVERSE
17. STAY AWAY
18. Driver's High
19. READY STEADY GO
20. Don't be Afraid
21. Blurry Eyes
22. Link
23. あなた

最終更新:4/12(水) 22:56
BARKS