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蜂蜜業界に衝撃 乳児ボツリヌス症で死者 摂取「厳禁」周知のはず 県など「注意喚起を」厚労省

日本農業新聞 4/11(火) 7:01配信

 東京都が7日、蜂蜜が原因の乳児ボツリヌス症で足立区の生後6カ月の男児が死亡していたと発表したことを受け、国や都、業界は「1歳未満の乳児には蜂蜜を与えない」との基本事項の周知を徹底する動きを強めている。蜂蜜のラベルにも記載され妊婦にも必ず伝達される事項で、同症での死亡例は国内初。女性農業者からは「知らない人がいたとは残念」と驚きの声も広がる。

初の死亡事故

 東京都によると、2月22日午後、都内の医療機関から最寄りの保健所に「5カ月の男児が入院しており、神経症状が出ている。離乳食として蜂蜜を与えられている」との連絡があった。

 患者は足立区在住の5カ月の男児。同16日からせき、鼻水などの症状があり、20日にけいれん、呼吸不全などの症状で救急搬送された。男児は、発症1カ月前から離乳食として、市販のジュースに蜂蜜を混ぜたものを飲んでいたという。

 検査の結果、患者のふん便や自宅の蜂蜜からボツリヌス菌が検出された。男児は3月30日に死亡した。都は4月7日に「死亡原因はボツリヌス菌によるもの」と断定し発表した。

改めてHPで警告 養蜂協会

 全国約3000の養蜂家で組織する日本養蜂協会は事故を受けて10日、ホームページ(HP)で1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないよう改めて注意を呼び掛けた。

 同協会はこれまで会員に対し、蜂蜜のラベルに注意喚起文を付けることを指導してきた。母子手帳などでも注意を呼び掛けてきており、「今回の事故は大変残念」と受け止める。今後も消費者への周知をさらに徹底していく考えだ。「離乳が完了して腸内細菌が整うまでは、蜂蜜をあげるのは避けてほしい」とする。

 蜂蜜は、1歳以上になれば安全に食べられる。同協会は「天然の甘味料で栄養価も高く、花の種類で風味が異なり楽しめる」と魅力を強調する。

 厚生労働省は7日、都道府県や保健所設置市などに対し、関係事業者や消費者への注意喚起を呼び掛けた。東京都も同日HPで発信した他、保健所に対し指導を徹底。都食品監視課は「1歳未満に蜂蜜を与えないことは前提になっており、今回の事故につながった商品にも表示はあった」として、さらなる周知の必要性を指摘する。

 蜂蜜の活用法などの資格講座を運営する日本はちみつマイスター協会は、乳児に与えない注意事項は講座で指導している。インターネットなどであやふやな情報が流れている現状を不安視し「適切な情報をさらに発信したい」(事務局)としている。

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最終更新:4/11(火) 7:01

日本農業新聞