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日本の避難所はソマリア以下!? 野口健が語る本当の復興支援

4/11(火) 18:00配信

TOKYO FM+

高橋みなみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組、4月11日(火)の放送は、アルピニストの野口健さんに本当の復興支援ついて話を伺いました。

野口さんは東日本大震災の被災地支援を積極的に行い、その後も2015年のネパール地震、そして昨年4月に発生した熊本地震の支援も行ってきました。
なかでも、熊本地震はネパール・ヒマラヤに1年間通い続けた直後だっただけに精根尽き果て、当初支援に出向くのは難しいと思ったそうです。しかし、ヒマラヤのシェルパ(ネパールの少数民族)からの「日本に助けてもらったから今度は恩返しがしたい」という言葉に心を打たれたとか。
彼らは日本円にして3万から5万円、ネパール人の平均月収ほどのたくさんのお金とともに、自分たちが日本に行けない代わりに支援を頼むと訴え、「これは逃げるわけにはいかない」と思い野口さんは熊本に向かったそうです。

そんな野口さんが支援を通して思った3つのこと。

まずひとつは“有事のときはルールを破れ!”。
熊本地震後に大きな問題になっていたのが車中泊。そこで、野口さんは登山経験を活かし、避難所代わりに普段彼らが山で作るベースキャンプ、大型テントを用意したそうです。
最大577人が共同生活できるテント村を作ったのですが、そこで大きな問題が。車中泊をしている被災者は数多く、誰もがテント村に入れるわけではない、その公平性を行政から指摘されたそうです。これは避難物資に関しても同じで、全員が平等に行き渡らないとせっかくの物資も届けられないことがあるとか。
このとき野口さんは、「確かにルールも大事だけど、全ての人が助けられなかったらダメなのか……」と思い、自ら車中泊をしている人たちを訪ねてまわってテントに誘ったそうです。テント村に入った方々の中にはやっと横になれると涙する人がいたり、何より自分たちのプライベートな空間があることが喜ばれたそうです。

次に挙がったのは“「対等な関係」に戻れることこそ復興”。
これは東日本大震災の10ヵ月後、野口さんは被災地で再会した一軒のお寿司屋さんに行き、そこで“うまい!”と言ったら、お店の親父さんの目には思わず涙が。それまで救援物資で生活してきた親父さんは、自分のお店をようやく再開させ、東京からのお客さんに喜ばれた=対等な関係に戻れたことが本当に嬉しかったそうです。

そして、最後は“日本の避難所はソマリアの難民キャンプ以下”ということ。
これには驚きを隠せないたかみなでしたが、熊本でテント村を作ったときにやってきた専門家が言うには、日本の避難所は先進国の中でも三流国以下。人によってはソマリアの難民キャンプ以下と言った人もいたとか。
というのも、避難所に関しても国際基準(スフィア基準)があり、たとえばトイレは男女比1:3、20人にひとつはないといけない、個人のスペースも最低3.5平米など明確にその基準が決まっているそうです。

野口さん自身、そのとき初めてスフィア基準のことを知ったそうで、おそらくこれはほとんどの人が知らないこと。もちろんたかみなも初耳。
さらに、日本人は我慢ができる民族であり、なおかつそれが美徳とされているだけに、みんな頑張りすぎてしまうのが問題だと野口さん。被災地では「どう気持ちを前向きするか、笑顔になれるような演出をしなくてはいけない」と言い、さらには「最初からベスト、100点満点はできないけど、今日より明日、明日より明後日とベターを積み重ねていくのが大事」と熱弁していました。

最後に、今後の防災に関して大事なことを野口さんに聞いてみると、「この国は震災が起きて、最初の3日間を自力で生き延びれば大丈夫」と言いつつ、「ただ、一家にひと帳りはテントがあった方がいい」と話します。
野口さん曰く、地震が起きても避難所に確実にみんなが入れるものではなく、だからこそテントを常備し、さらには寝袋もあったらベター。そして、携帯トイレもあるとベストだとか。

熊本地震からもうすぐ1年。人間の危機感はそう長くは続かないだけに、こういう機会にこそ改めて意識することが重要だと話す野口さんは、今後も有事の際のためにテント村をもっともっと広げていきたいと話していました。

(TOKYO FMの番組「高橋みなみの『これから、何する?』」2017年4月11日放送より)

最終更新:4/11(火) 19:33
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