ここから本文です

ピュア・ストレージ、NVMeフル対応の「FlashArray//X」発表

アスキー 4/12(水) 6:00配信

米ピュア・ストレージが、NVMeに対応したオールフラッシュストレージ新モデル「FlashArray//X」を発表した。
 米ピュア・ストレージは4月11日、エンタープライズ向けのオールフラッシュストレージ新モデル「FlashArray//X」を発表した。従来モデル(FlashArray//M)で採用してきたSAS SSDではなく、独自開発のNVMe対応NANDフラッシュモジュールやコントローラーを採用したモデル。大容量かつ低レイテンシ、広帯域幅を実現しており、“クラウド時代”のアプリケーション環境に適したモデルだと説明している。
 

フラッシュの能力を引き出す新たなハードウェア/ソフトウェアを開発
 FlashArray//Xは、独自開発のNANDフラッシュを採用した「DirectFlashモジュール」、グローバルフラッシュ管理(ガベージコレクションやアロケーション、I/O最適化、エラー修正)の処理をコントローラー上で行う「DirectFlashソフトウェア」、さらに新しいNVMeアレイと従来のSASアレイの両方を接続可能な「//X70コントローラー」という、3つの新コンポーネントを中心に構成される。
 
 DirectFlashモジュールは、コントローラー上のDirectFlashソフトウェアからNVMe経由で直接アクセス/コントロールされるようになっており、従来のSSDモデルで生じていた、SSD内蔵のコントローラーによるオーバーヘッドが生じない。
 
 また、同モジュールは高密度設計になっていることに加え、従来のSSDが個々に備えていた「余剰領域」(フラッシュの経年劣化に備える予備領域)もなくし、モジュール上のフラッシュを100%使い切る設計となっている。これにより、従来モデルのSSDトレイ(SSDを2台搭載)と同サイズで、1個あたり最大18.3TBの物理容量を実現している(ほかに2.2TB、9.1TBのモジュールもある)。これにより、3Uサイズのシャーシで実効容量1PBのストレージを実現する。
 
 こうしたフラッシュ技術への最適化によって、FlashArray//Xのレイテンシは従来モデル比で半分、書き込み帯域幅は2倍、パフォーマンス密度は4倍へと性能向上する(いずれも最大値)。
 
 「従来、非常に高いパフォーマンスが必要なユースケースでは、多数のSSDアレイを横に並べる(並列で読み書きさせる)必要があった。今回のDirectFlashモジュールは(単体でも)かなりパフォーマンスが出るので、その必要がなくなる」(ピュア・ストレージ・ジャパン SEディレクターの志間義治氏)
 
 さらに、ピュア・ストレージが従来から展開している「Evergreen Storage」ビジョンに基づいて、FlashArray//MからFlashArray//Xへの無停止アップグレードも可能になっている。//X70コントローラーは従来モデルのSAS SSDアレイにも対応しており、将来的には同一アレイ上でSAS SSDとNVMeフラッシュモジュールの混載も可能になるという。
 
 FlashArray//XおよびDirectFlashモジュール(2.2TB、9.1TB)は同日より受注を開始しており、2018年度第2四半期(2017年5~7月期)からDA(指定先提供)リリースとして提供開始を予定している。また、DirectFlashモジュール(18.3TB)および既存FlashArray//Mシステムのアップグレードサポートは、2018年度下半期(2017年8月~2018年1月期)のGA(一般提供)開始を予定している。価格は未発表で「間もなく発表予定」(同社)としている。
 
訂正:発表元より提供開始時期について発表内容の訂正があったため、記事を上記のとおり改めました。(2017年4月13日)
「ビッグデータはオンプレミスに残る」クラウド時代のアプリに適した製品
 新製品発表会には、米ピュア・ストレージ CEOのスコット・ディーツェン氏、2月にピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長に就任した田中良幸氏が出席し、今年のグローバル市場および日本市場におけるビジネス戦略を説明した。
 
 2009年創業のピュア・ストレージは、ストレージ市場におけるオールフラッシュ化の波に乗り、2017年度の対前年比成長率は65%という目覚ましい成長を遂げている。現在はグローバルで3000社以上の顧客を持ち、ストレージ市場全体で第7位の位置付けとなっている。「NPS 83.5」という高い顧客満足度も、同社のアピールポイントの1つだ。
 
 ディーツェン氏は、“クラウド時代”におけるピュア・ストレージの製品戦略を説明した。
 
 各種調査予測などでも指摘されているとおり、今後、社会へのIoTの浸透などにより、世界で生成されるデータ量は急増していく。企業においても、保有するデータを最大限に活用して、データから洞察を得てビジネス価値へとつなげようとする動きがすでに活発だ。
 
 そうした中で、エンタープライズ市場においては「ビッグデータはオンプレミスに残る」とディーツェン氏は予測する。パブリッククラウドに大量のデータを保存するのはコスト高だからだ。ただしその一方で、パブリッククラウドが提供するスケーラビリティや、自動化によるシンプルな運用管理性、変化に対応する俊敏さといったメリットは、オンプレミスシステムに対しても求められるようになる。
 
 加えて、クラウド時代には、従来型のモノリシックな業務アプリケーションだけでなく、数千~数万もの複合アプリケーションへの対応も必要となる。今回発表されたFlashArray//Xは、そうしたクラウド時代のアプリケーションに適したストレージシステムだと、ディーツェン氏は説明した。
 
 「グーグルやフェイスブックといったクラウド企業からは、運用管理の100%自動化、高速なネットワークプロトコルやNVMeフラッシュなどへのいち早い対応、ハードウェアとソフトウェアの同時革新といったことを学んだ」「ピュア・ストレージでは、(オンプレミス、クラウド双方の)ベストの部分を取り入れようと考えている。顧客の企業IT環境にストレージプラットフォームネットワークを構築し、そこにクラウドのイノベーションを投入していく」(ディーツェン氏)
 
 またディーツェン氏は、ピュア・ストレージが製品投入し始めたころと比較して、SSD 1本あたりの最大容量は240倍(256GB→60TB)にもなっているが、読み書きのパフォーマンスは大きく向上していないことを説明。FlashArray//Xにおいては、独自開発のハードウェア/ソフトウェアを採用したことで「ブレイクスルー」となり、競合優位性のある製品になっていると述べた。
 
 今年2月に日本法人社長へ着任したばかりの田中氏は、日本市場におけるテーマを「CHANGE」だとし、ピュア・ストレージ自身が変わること、顧客企業を変えることの両面に注力していきたいと語った。従来型の製品提案から「ビジネス価値を実現するプラットフォームソリューションの提案」への変革、積極的なマーケティング施策を通じた市場へのアピール強化、そしてプラットフォーム提案を実現するためのパートナー強化、といったことを実行していく。
 
 
文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

最終更新:4/13(木) 13:13

アスキー