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迂回路の推奨案提示1年 保存への道筋暗礁 沼津・高尾山古墳

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 4/12(水) 7:47配信

 古墳時代初頭に造られたとされる沼津市の「高尾山古墳」の現状保存と計画中の都市計画道路建設の両立を目指し、沼津市の協議会が古墳を迂回(うかい)する推奨案を提示してから1年が過ぎた。実現可能性が高いとされた推奨案だが、県公安委員会が安全性の懸念を指摘。具体化のステップは暗礁に乗り上げ、古墳の保存を訴える市民団体からいらだちの声が出ている。

 県公安委は「(推奨案の)道路の線形では大変厳しい」と難色を示し、道路が屈曲することによる衝突事故の可能性や、墳丘で見通しが悪くなる道路構造を課題に挙げた。

 これに対し、市道路建設課の担当者は古墳の保存と道路整備を両立させる方針を貫く考えを示しつつ、2017年度は推奨案以外も含めて検討を進める。

 一方、具体的な動きが出ていないことに市民団体は不安を募らす。「高尾山古墳を守る会」の杉山治孝会長は「市は本当に保存に取り組もうとしているのか」と疑問視する。17年度は有識者を招いた講演会の開催などで古墳保存ムードの再構築を図る考え。「古墳保存の方針から外れないか、市政を監視していく」と強気だ。

 高尾山古墳は国道1号と同246号をつなぐ都市計画道路の整備に伴う調査で全容が判明した。15年8月に当初の墳丘を取り壊す方針を白紙に戻した市の方針を受けて市の協議会は16年2月、古墳の北側に丁字交差点を設け、西側に4車線道路を造るとした案を推奨していた。

 市教委の担当者は「しっかりと保存すれば、国指定史跡になる可能性は高い」と価値を強調する。



 <メモ>高尾山古墳 古墳時代初頭の230年ごろに造られたとされる「前方後方墳」。全長約62・2メートル、最大幅約34メートル、周囲の溝幅は8~9メートルで、墳丘の高さは後方部が5メートル。この時期に造られ、全長が60メートルを超えるのは東日本で高尾山古墳と弘法山古墳(長野県松本市)だけとされる。1982年に発行された沼津市教委の遺跡地図に登録され、2008、09年度に実施した発掘調査で全容が明らかになった。

静岡新聞社

最終更新:4/12(水) 7:47

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS