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訪日客 酒蔵に呼び込め 静岡県内、取り組み加速

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 4/12(水) 7:48配信

 観光庁が訪日外国人観光客向けに推進する「酒蔵ツーリズム」を機に、県内の酒蔵も訪日客向けの取り組みに乗り出し始めた。伝統産業の継承を重んじながら、新たな道も模索している。

 女性武将井伊直虎が主人公の大河ドラマの放送や、新東名高速道の延伸開通を追い風に活気づく浜松市浜北区の「花の舞酒造」。連日県内外から団体客が訪れ、本社直売所の1~3月期の売上高は前年同期比40%増の1060万円と好調だ。ただ、高田和夫社長(70)は「特需は、おそらく1年だろう」と冷静に分析する。

 同社が注視するのが訪日外国人観光客。現在は海外団体客の訪問は見られないが、今後の動向を見通してこのほど、静岡空港内に酒蔵見学を案内する看板を設置した。酒蔵紹介の見学者用ビデオにも英語や中国語の字幕を加える予定という。

 富士宮市の「富士高砂酒造」にはすでに、週に数台のツアーバスが乗り入れ、台湾などの団体が酒蔵見学を楽しんでいる。英語と中国語のパンフレットを準備中で、「国内客も大切にしつつ、伝統産業を継承する酒蔵として国外の人にも対応することで市に貢献したい」と担当者は話す。

 海外での日本酒の認知度、人気度は年々上昇している。国税庁によると、16年の酒類輸出金額は約430億円と5年連続で過去最高額を記録した。政府は10月から、訪日客が酒蔵で購入する酒類の免税を始める。消費拡大や輸出促進が狙いで、観光庁の担当者は「地方への誘客にもつなげたい」と説明する。

 県酒造組合の小沢康弘事務局長は「蔵の規模などを踏まえると難しい実情もあるが、今後は県内でも輸出などの戦略が必要になるだろう。そのためには、いい酒を造ることが基本だ」と強調する。



 <メモ>酒蔵ツーリズム 東京や京都などに集中している訪日客を地方に振り分けるため、日本酒の消費拡大も目的に観光庁が他省庁と協力して推進している。酒蔵を巡り、地酒を味わい、土地を散策しながら郷土料理や伝統文化に親しんでもらう。同庁のホームページでは、酒造りのパンフレットや外国語に対応する各地の酒蔵リストを掲示している。

静岡新聞社

最終更新:4/12(水) 10:40

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS