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トルコ国民投票、何が焦点? =権限強化目指す大統領

時事通信 4/12(水) 7:30配信

 トルコで間もなく国民投票が行われる。反対勢力弾圧で、欧州各国とも激しい対立を引き起こしたトルコはどこへ向かうのか。

 ―16日のトルコ国民投票は何を問うのか
 大統領の権限強化を柱とした憲法改正の賛否を問う。改憲案では、大統領に行政権を集中させ、首相職を廃止し、副大統領職を新設する。これまでは禁じられていた大統領の政党所属も認めるほか、副大統領や閣僚の任免、非常事態宣言の発出、政令の公布など広範な権限を大統領に与える。首相を11年間務め、2014年夏に大統領に就任したエルドアン氏の強権化を認めるかどうかが焦点になる。

 ―エルドアン氏の権限は既に強いのでは
 現行の憲法では大統領は象徴的な存在にとどまっているものの、エルドアン氏は実質的に最高権力者として振る舞ってきた。今回の改憲で「トルコ型大統領制」の導入を実現し、名実共に政治の実権を握りたい考えだ。

 ―賛成派が勝ちそうなのか
 エルドアン政権は賛成票を集めるため、大規模なキャンペーンを展開している。しかし、世論調査の結果では、賛否はほぼ拮抗(きっこう)。態度未決定者は2割に上るともいわれ、その中には、エルドアン氏の支持基盤であるイスラム系与党・公正発展党(AKP)の支持者も少なくない。

 ―反対派は何を問題視しているのか
 反対派の中核は、アタチュルク初代大統領が国是に掲げた政教分離を重んじる世俗派。改憲により、民主主義統治の原則である三権分立による「抑制と均衡」が損なわれ、独裁国家に転じることを危惧している。また、昨夏のクーデター未遂事件以降続いている公務員らの大量取り締まりや、反政府系メディアへの弾圧などがさらに加速すると懸念している。

 ―欧州でも騒動があったが
 約550万人いるとされる在外トルコ人の大半が欧州で暮らしている。在外票取り込みのため、エルドアン政権はドイツやオランダで集会を開催しようとしたが、地元当局が認めず、同政権の閣僚が入国拒否などに遭った。エルドアン氏は欧州諸国をナチスになぞらえ、激しい怒りを表明、関係各国との非難の応酬に発展した。

 ―エルドアン氏は何を目指しているのか
 改憲が実現した場合、総選挙と大統領選が19年に行われる。大統領は2期10年まで務められるが、この多選制限が改憲後、リセットされた場合、エルドアン氏は29年までその座にとどまる可能性がある。23年には「建国100周年」を控えており、超長期政権を築き、「世界の経済大国トップ10入り」を自らの手で実現したい考えだ。(エルサレム時事)

最終更新:4/12(水) 7:36

時事通信