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てるみ内定取り消し35人に40社 旅行業界“人気薄”の深刻

日刊ゲンダイDIGITAL 4/12(水) 9:26配信

 やはり人手不足のようだ――。

 今月8日、経営破綻した「てるみくらぶ」から内定を取り消された大学生らを対象に旅行業界の合同企業説明会が開催された。主催は「日本旅行業協会」で、当日は内定取り消し者58人のうち35人が参加。旅行会社を中心に40社が殺到する“売り手市場”となった。「内訳は男性11人と女性24人です。内定をもらい、すでに上京したのに就職できない人たちのために開催しました。活発な面談ができたと思っています」(同協会広報室)

 先日、大手法律事務所や警備会社、宿泊施設関係の財団法人なども58人の受け入れを表明。いまビジネス界は人手不足で、旅行業界も例外ではない。

 旅行ライターの五嶋幸一氏によると、JTBや日本旅行のような大手5、6社は待遇の良さなどで離職率は低いが、中堅、中小は慢性的な人手不足に陥っている。

「大手と比べると中小は原価率が高いため給料を抑える。新入社員は年収ベースで2割くらい低いのが実情です。ツアーを企画するクリエーティブな仕事を目指して入っても、それができるのは発想力や情報収集能力にたけた一握り。残りはチケット発券のため一日中、パソコンを叩いている。そうした単調な仕事に飽きて辞めていくのです」

 旅行会社の社員といえば添乗員として海外旅行に同行するイメージがあるが、最近は添乗員なしのツアーが主流。ついたとしても、多くは派遣会社から来た専門家だ。国内旅行も現地のボランティアガイドに頼り、社員の同行は年々減っている。入社後、こうした現実に幻滅するため離職率が高まるのだ。

「旅行会社が専門化していることも大きい。たとえばベルギーとオランダの旅行しか扱っていないような会社に入ると、来る日も来る日もその2国のツアーの仕事ばかり。数年で飽きてしまうのです。中堅、中小は常に募集をかけていますが、なかなか人が集まりません」(五嶋幸一氏)

 人気職業はいつしか、不人気職業になっていた……。

最終更新:4/12(水) 9:26

日刊ゲンダイDIGITAL