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東芝、監査の意見なしで2度延期の第3四半期決算発表

MONOist 4/12(水) 7:10配信

 深刻な経営危機に陥っている東芝は2017年4月11日、既に2度発表を延期している2017年3月期(2016年度)第3四半期の業績を、監査人の結論を待たずに「意見不表明」の状況で発表した。第3四半期の決算が確定できていない状況だが、2016年度の本決算については「5月末までに発表したい」(東芝 代表執行役社長の綱川智氏)としている。

【東芝が行ってきた「不適切なプレッシャー」に関する調査の概要の画像など】

●「不適切なプレッシャー」で決算発表を2度延期

 海外原発事業の買収問題で経営危機に陥っている東芝は、2016年度第3四半期の決算発表を2017年2月14日および2017年3月14日の2回延期した。要因とされたのが、同社の原子力発電(原発)関連のグループ会社であるウェスチングハウス(WEC)における米国CB&I ストーン&ウェブスター(S&W)の買収に対する、経営陣からの「不適切なプレッシャー」である。

 2017年2月以降の調査の結果「不適切なプレッシャー」については確かにあったものの、それが財務諸表に影響を及ぼす影響があったのかどうかについては確認ができない状況が続いた。東芝では「既に不適切なプレッシャーを与えた一部経営者に関しては、WECの経営に関与させないなどの抜本的措置を講じた」とし、その影響範囲を対象を広げて調査を継続。最終的に「3カ月以上の調査を行い、60万通以上のメール調査、数十人へのインタビュー調査などを進めてきたが、財務諸表に影響を与えるような事実を確認できなかった」とし、これ以上の調査は不要と判断した。

 しかし、独立監査人であるPwCあらた有限責任監査法人は調査を不十分とし、2017年4月11日に「結論不表明」という報告書を提出。ただ、東芝としては「調査は終了した」と判断しており、監査人の承認を受けないまま決算を発表したことになる。綱川氏は「調査範囲を広げても、財務諸表に影響を与える事実は見つけられず、これ以上調査を延長しても、また同じ状況が続く。同じ状況を続けていても意味がないという結論で今回『結論不表明』のまま決算発表を行った」と述べている。

 2016年度第3四半期の決算結果については、以下の通りである。

 東芝は2017年3月15日付で東京証券取引所および名古屋証券取引所から監理銘柄(審査中)に指定されており、いつ上場廃止になってもおかしくない状況である。現段階でも既に2016年度末の段階で債務超過となることが確実視されており、東証二部への降格は避けられない。既に2016年度は終了しており4月末には2016年度の本決算発表が始まるが、綱川氏は「2017年5月末までには本決算も発表したい」と話している。

最終更新:4/12(水) 7:10

MONOist