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進行する結婚離れ 一番の理由は「お金が無い」

4/12(水) 17:40配信

ZUU online

国立社会保障・人口問題研究所が公表した「2017年版 人口統計資料集」によると、生涯未婚率が男性で23.37%、女性で14.06%であることがわかった 。男女とも過去最高を更新しており「結婚離れ」が進んでいる。どうして結婚しない人が増えているのだろうか。

■生涯未婚率とは?

生涯未婚率とは、50歳時の未婚割合である。45~49歳と50歳~54歳における未婚率の平均値から50歳時の未婚率を算出したものだ。50歳時点で未婚の場合、その後結婚することは稀であるため、生涯独身でいる人がどのくらいいるかを示す指標として用いられている。生涯未婚率の調査は5年に1度行われており、結婚に対する動向の変化を掴む上で非常に有効なデータになっている。以下は生涯未婚率の推移だ(国立社会保障・人口問題研究所・2017年版)。

【年次 男 女】
1960年 1.26% 1.88%
1970年 1.70% 3.34%
1980年 2.60% 4.45%
1990年 5.57% 4.33%
2000年 12.57% 5.82%
2005年 15.96% 7.25%
2010年 20.14% 10.61%
2015年 23.37% 14.06%

生涯未婚率の過去からの推移を見てみると、1980年までは女性の方が未婚率が高かったが、1990年からは男性の方が未婚率が高くなっている。原因は定かではないが、1990年と言えば「バブル崩壊」が始まった年なので、経済の先行きが不透明な中、結婚を控える人が増えたのかもしれない。

1990年以降の男性の推移を見ると、1990年が5.57%だったのが、2000年には12.57%と倍増し、2010年には20.14%と1990年比で4倍になっている。婚姻の要素が経済というわけではないが、経済の影響を受けていると考えるのは自然な流れだろう。

次に、都道府県別のデータを見てみると、男性で未婚率が最も高いのは沖縄県で26.20%、次いで岩手県で26.16%、3番目に東京の26.06%となっている。逆に最も低いのは奈良県で18.24%、次いで滋賀県で18.25%、3番目が福井県で19.19%となっている。

女性で最も未婚率が高いのは、東京の19.20%で、次いで北海道の17.22%、3番目が大阪の16.50%となっている。最も低いのは福井県で、8.66%、次いで滋賀県の9.21%、3番目が岐阜県の10.00%だった。

沖縄、岩手、東京に共通項はあまりなく、沖縄は失業率が高いことから、経済的理由によって結婚ができない可能性がある。逆に東京は都市機能が充実しているので、1人でも十分生活できるため未婚者が多いと考えられる。特に女性では東京と大阪の未婚率が高く、自立して生活している女性の結婚離れが進んでいることが伺われる。

一方、未婚率が低い県として男女とも滋賀県が入っていることは特徴的だ。昔ながらの結婚観をもった県民性なのか、あるいは地域で何らかの取り組みをしているのかわからないが、都市部でない地域の方が結婚に対するプレッシャーが依然として強いのかもしれない。

■結婚する意識はあっても「お金が無い」

同研究所が調査した「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査) 」によると、2015年の調査では男性の85.7%、女性の89.3%は「いずれ結婚するつもり」としており、「一生結婚するつもりはない」とするのは、男性で12.0%、女性で8.0%しかいない。

1987年の同じ調査では、「いずれ結婚するつもり」とするのが男性で91.8%、女性で92.9%であるから、結婚に対する意識はそれほど下がっていない。結婚に対する意識は変わっていないのに未婚率が極端に上がっているということは、結婚に対する意識以外の要因が作用していることになる。

「結婚意思のある未婚者に、一年以内に結婚するとしたら何か障害となることがあるか」を尋ねた調査結果によると、男性で43.3%、女性で41.9%が「結婚資金」という回答だった。

十分なお金がないため、結婚に踏み切れないというわけだ。実際、総務省統計局の「労働力調査(速報) 」によれば、2016年10月から12月の非正規職員の割合は37.7% にも達しており、約4割もの人が非正規というのが実態だ。このような状況では結婚できないというのもうなずける。

ほかにも社会環境の変化も未婚率を増大させているように思われる。たとえば、古典芸術ではロミオとジュリエットがベランダで求愛する姿が美しいとされたが、今なら、そんなことをしたら「ストーカー」と言われかねない。

社会人であれば職場での出会いもあるが、職場で異性に食事でも誘うものなら「セクハラ」と言われるリスクがある。このように現代社会では異性との関わりは非常にリスクが高くなっているので「恋愛に積極的になれ」という方が無理があるのかもしれない。

■引き起こされる社会問題 最悪のシナリオは?

日本では深刻な少子高齢化が進んでいるが、このまま未婚者が増えれば、当然子どもの数が減ってくる。日本の社会保障は若者で高齢者を支えるというしくみになっているので、逆三角形の人口構造では若者が負担に耐えられず社会保障制度は破綻する。そうなれば路頭に迷う人が出てくるだろう。また、若者の数が減少すれば労働力も減少することになり、日本は経済大国から転落していくというのが最悪のシナリオだ。

これに対して、AIの進歩により将来は、ほとんどの仕事がいらなくなるとも言われている。だとすると、人が減ることはそれほど問題ではないのかもしれない。人が減れば食料や燃料が少なくて済み、AIやITに精通した少数の人さえいれば医療や介護もロボットがする時代になるかもしれない。果たしてどちらの世界が待っているのだろうか。(ZUU online 編集部)

最終更新:4/12(水) 17:40
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