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皆野のアマチュア写真家・野沢博美さん、「即身仏の里」を自費出版 埼玉

産経新聞 4/12(水) 7:55配信

 ■民の救済願い身をささげた修験者の信仰と思いに迫る

 皆野町在住のアマチュアカメラマン、野沢博美さん(73)が9年の歳月をかけて取材した写真紀行「湯殿山系 即身仏の里」(無明舎出版)を自費出版した。山形、新潟両県に残る即身仏8体を撮影し、即身仏となった修験者の思いに迫った。野沢さんは「即身仏に手を合わせると救われた気持ちになる。シニアの人たちに訪ねてほしい」と話している。(石井豊)

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 即身仏は山中で荒行を重ね、死後も体を永久に残して苦しむ人を救おうと、地中に入り座禅したまま亡くなるなどした修験者。江戸時代に山形県の湯殿山を中心に即身仏信仰が生まれたとされ、国内に残る16、17体のうち半数以上が山形、新潟両県にあるという。

 野沢さんは元県職員。入庁後、写真の魅力にとりつかれ、秋田県の鷹(たか)匠を撮影した写真集「最後の鷹匠」(秋田書房)などを刊行。定年退職後の平成20年9月から9年間で約30回、1回2泊3日の行程で、自宅から車で数百キロ離れた即身仏が安置される両県内の寺々を訪ね歩き、住職や農家の人たちに取材を重ねた。

 最初は門前払い扱いされる中、3年も通い詰めて信頼関係を築き、山形県鶴岡市・南岳寺の鉄竜海上人や新潟阿賀町・観音寺全海堂の全海法師など8体の即身仏を撮影、生前の業績や修行の様子などを知ることができた。湯殿山や羽黒山などの信仰の山、伝統芸能や集落なども紹介している。

 野沢さんは「約40年前にテレビ番組で即身仏を知り、ずっと撮りたいと思っていた。今は肩の荷が下りた。アマチュア写真家としての集大成となった」と話している。

 A5判、130ページ。写真はモノクロ。撮影した1万3千枚のうち141枚を掲載。1728円。問い合わせは野沢さん(電)080・1053・4926。

最終更新:4/12(水) 7:55

産経新聞