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日本、北制裁履行できず 国連決議、法整備に遅れ リスト外規制品押収に壁

産経新聞 4/12(水) 7:55配信

 核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対する国際圧力が強まる中、日本政府が、国連安全保障理事会による対北朝鮮制裁決議をまともに履行できていないことが11日、分かった。対北朝鮮制裁関連法が、次々に採択される国連決議に追いついていないからだ。日本は制裁決議の旗振り役を務めてきただけに、現状のまま放置すれば「日本の対応は国連決議違反だ」と国際的な批判を浴びかねない。

 国連安保理は、北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射を受け、北朝鮮への「ヒト・モノ・カネ」の流れを絶つことを目指し、平成18(2006)年以降、6つの制裁決議を採択した。その度に規制品リストを明記し、加盟国に検査・押収を義務づけた。

 25(2013)年以降は、北朝鮮が市販の電子部品や機械部品などを核・ミサイル開発に転用している実態を踏まえ、リストに入っていなくても加盟国が「非合法目的」と判断すれば「いかなる品目」であっても、輸出入はもとより移転も阻止するよう対象を拡大した。昨年の決議では、これらの移転阻止を加盟国に義務づけた。にもかかわらず、日本では、リストに入っていない品目を独自判断で押収できる仕組みは整っていない。制裁対象である規制品の検査・押収を可能にする貨物検査特別措置法(平成22年施行)の大幅改正が必要となるからだ。

 24年8月には、北朝鮮が輸出品を積んだ貨物船が大井埠頭(ふとう)に寄港した際、東京税関がコンテナ2台を検査したが、押収できたのは、リストに該当したアルミニウム合金棒5本だけだった。

 一方、北朝鮮は、中国など第三国で調達した非合法物資を自国を経由せずシリアなど他国に輸送していることも明らかになった。これを受け、国連安保理は、北朝鮮発着の貨物以外でも「制裁違反になり得る」と判断すれば、寄港した貨物の押収を加盟国に義務づけた。

 ところが、日本の貨物検査特措法は押収対象を北朝鮮発着の貨物に限定する。決議を完全履行するには新たな法整備が必要となるが、遅々として進んでいない。

最終更新:4/12(水) 8:07

産経新聞