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東芝の半導体事業売却手続きは「合弁契約に違反」、WDが抗議書簡

ロイター 4/12(水) 16:12配信

[東京 12日 ロイター] - 東芝<6502.T>が売却を検討している半導体メモリー事業の分社化について、同事業の合弁生産パートナーである米ウエスタンデジタル(WD)<WDC.O>が「合弁契約の重大な違反」であるとする抗議の書簡を東芝側に送付したことが12日、明らかになった。

東芝は財務立て直しに向け、NAND型フラッシュメモリー事業の売却を急いでおり、関係筋によると、米ブロードコムAVGO.Oと米投資ファンド、シルバーレイクの連合、東芝と合弁を組むWD、韓国のSKハイニックス000660.KS、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業2317.TWの4陣営が1次入札を通過した。東芝は同事業を分社化して東芝メモリ株式会社を設立、今年4月1日に自社の持ち分を移転している。

ロイターが確認したWDのスティーブン・D・ミリガンCEO名の抗議文書は、東芝による事業持ち分の移転が「合弁契約の極めて重大な違反であり、(WDの)契約上要求される同意権を無視」していると批判。東芝メモリの株式をWDの同意なく第三者に譲渡できると東芝が考えているとすれば、「(その)解釈はまったく根拠がない」だけでなく、「(WDの)権利を蹂躙する」行為であると厳しく指摘している。

また、東芝が行っている出資入札について、「噂されている2─3兆円の入札額は、公正で支持可能な価格を大きく超えている」とし、「いずれの入札者も日本および合弁事業にとっては非常に問題」との見解を示している。特に、入札企業の一つとみられているブロードコムについては、「非常に大きな懸念を有している」と名指しで言及している。

WDは、東芝に対して「(WDを)優先度の低い入札者であるかのように扱うのはやめ、実質的で独占的な交渉を開始するよう」要請。さらに、WDが他の入札者よりも東芝のNAND型フラッシュ事業の性格を理解している、などの点を強調している。

WDはハードディスク駆動装置(HDD)世界最大手。三重県四日市市でフラッシュメモリーを東芝と共同生産してきた米半導体メーカーのサンディスクを昨年5月に買収。東芝との提携関係を引き継いでいる。

書簡の中でWDは、日本で過去17年間に130億ドルを超す投資をしてきた実績に触れるとともに、日本における長期にわたる技術革新に注力し、東芝の資産を守る強い意志を表明。東芝との長期にわたる提携をふまえ、東芝の目標を達成する取引を提案・実行するうえで最適な立場にあると強調している。

一方、関係筋によると、東芝はメモリー事業の子会社化と売却に関して、手続きなどに問題はない、とする意見書を弁護士から取得しているという。東芝はWDの書簡についてのロイターの取材に対して「個別の契約内容には答えられない」(広報)と回答した。

*内容を追加して再送します。

(山崎牧子、布施太郎)

最終更新:4/13(木) 0:13

ロイター