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<東芝>3月期決算も危うく 監査法人「適正」めどたたず

毎日新聞 4/12(水) 21:30配信

 11日に東芝が、監査法人から「適正」の意見を得られないまま2016年4~12月期決算を報告したことで、5月以降予定する17年3月期決算や有価証券報告書の提出も遅れる可能性が出ている。監査を担当するPwCあらた監査法人との溝が深く、短期間で適正意見を得られるめどがたたないためだ。投資家の最重要情報である通期決算も正常に発表できない事態となれば、市場の不信は一段と高まりそうだ。

 PwC側が問題視していると見られるのは、東芝経営陣が米原発事業の巨額損失をいつ認識したか。東芝側は昨年12月とするが、PwC側は「経営陣が早い段階で認識していた」との疑いを持ち、追加調査を求めている模様だ。実際、PwCは、16年の4~6月期と7~9月期の決算を「適正」とした意見を取り下げた。

 東芝側は15年7月~17年2月の経営陣らのメール約60万件を調べるなどし調査は終えたとの立場で、PwCの要求は「見解の相違」(綱川智社長)として応じない構えだ。

 打開策に取りざたされるのが監査法人の差し替えで、東芝は「選択肢」と認める。だが、会計関係者は「巨大企業の東芝の監査を引き継ぐには数カ月はかかる」と困難さを指摘する。15年発覚した不正会計問題で、当時監査を担当した新日本監査法人は約21億円の課徴金を命じられており、他の監査法人が引き継ぎに二の足を踏む可能性は高い。

 東芝は5月中旬に17年3月期通期決算発表を控え、6月末までに関東財務局に有価証券報告書(有報)を提出しなければならない。有報では財務に加えて内部統制も監査法人の意見を出さなければならず、16年4~12月期よりハードルは高い。「意見不表明」での提出は可能だが、より重要度の高い本決算で適正意見を得られない場合、現在進行中の東京証券取引所の上場審査に悪影響を及ぼすのは必至だ。

 過去に意見不表明になったカネボウやライブドア、スカイマークは、いずれもその後上場廃止となった。麻生太郎金融担当相は12日の衆院財務金融委員会で、「なぜ不表明になったのかよくわからない。東芝は不表明に至った経緯の説明責任を果たす必要がある」と注文した。【小原擁、古屋敷尚子、片平知宏】

最終更新:4/12(水) 22:02

毎日新聞