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たくましく“デマ”さえも武器にする? 辻元元国交副大臣を蓮舫代表も見習おう

産経新聞 4/13(木) 10:00配信

 大阪市の学校法人「森友学園」への国有地売却問題をめぐり、学園の籠池泰典前理事長の妻と安倍晋三首相の昭恵夫人とのメールのやり取りにその名前が、何度も登場する辻元清美元国土交通副大臣(56)。このメールのやりとりなどに関し、辻元氏に3つの疑惑が浮上したが、「デマ」として真っ向から否定している。ただ、社民党時代から異彩を放つ辻元氏をめぐってはデマが絶えないようで、公式ウェブサイトには他には見られない、あんなコーナーまであるのだ。

 森友学園をめぐって辻元氏に浮上したのは(1)幼稚園侵入(2)小学校建設現場への作業員派遣(3)国有地売却の際の14億円値引き-の3つだ。

 (1)の幼稚園侵入は、籠池氏の妻、諄子(じゅんこ)氏が3月1日に昭恵夫人に送ったメールで、辻元氏が「幼稚園に侵入しかけ 私達(わたしたち)を怒らせようとしました」(原文ママ)と記載したためだ。

 (2)の小学校建設現場への作業員派遣も、辻元氏が作業員を小学校建設現場に「送り込んだ」と記載した3月1日の諄子氏からメールによる。メールには「嘘の証言した男は辻元と仲良しの関西生コン(※連帯ユニオン関西地区生コン支部とみられる)の人間でしたさしむけたようです」「孫請業者の作業員がその委託社長がしてないといったのにもかかわらずその三日だけきた作業員が辻元清美が潜らせた関西なんとか連合に入っている人間らしいです」(原文ママ)とある。

 (3)の国有地売却の際の14億円値引きは、学園の小学校建設地に隣接する「野田中央公園」についてだ。この公園はもともと国有地だが、豊中市に売却された。その契約金額は、22年10月12日の豊中市議会での市側の説明によると、14億2386万3000円だったが、計14億262万円の国庫補助金などを得て、最終的に市の負担は2124万3000円で済んだためだ。市に交付された国庫補助金は、リーマン・ショックの経済対策目的などで、麻生太郎内閣が平成21年度補正予算で決めたものだが、辻元氏は21年9月から22年5月まで当時の民主党政権で国交副大臣を務めており、この年10月の豊中市議会では質問者から「政権が代わったからこうなったのか」などの指摘も出ていた。

 民進党役員室は、3月24日に見解を発表し、(1)(2)について「一切ない」「事実無根」と否定。産経新聞が改めて(1)~(3)について27日に辻元氏に尋ねた質問状に対しても28日の回答書では、(1)には「塚本幼稚園に入っておりませんし、入ろうとした事実もございません」、(2)には「マスコミで証言をした人物は、辻元清美とは面識がございません」とした上で、「送り込んだなどということも一切ございません」、(3)には「野田中央公園の用地取得に関する補助金等は、麻生政権下の21年第一次補正予算で決定されたものを鳩山政権下で引き継いで執行したものです」と全て否定した。

 辻元氏は3月24日付で自身の公式ウェブサイトにも「安倍昭恵夫人と籠池夫人とのメールにおける辻元清美に関するデマ」として、民進党役員室の否定する見解を掲載している。ただ、辻元氏のウェブサイトをよく見ると、プロフィルや政策、活動実績と並び、他の国会議員のウェブサイトでは見ることのない「デマについて」というタブがあるのだ。

 現在、このコーナーに掲載されているのは「震災に関するデマ」「日本赤軍、過激派に関するデマ」など10のデマ。「震災に関するデマ」では、辻元氏が7年の阪神淡路大震災の際、被災地で反政府ビラをまいたとのデマについて、「このような記事は、事実無根であり、辻元は、(これを報じた)産経新聞に対して名誉棄損で裁判を起こし、勝訴しています」とし、東京地裁の判決要旨も掲載している。

 「日本赤軍、過激派に関するデマ」についても、「まったくの事実無根。辻元清美がそのような団体に身を置いたことも、関係したこともありません」とし、「またそうした事実があれば、辻元清美は『国土交通副大臣』になれなかったでしょう。『身体検査』でひっかかるはずです」として、関係を否定した。

 「支援物資を横流ししたというデマ」では、東日本大震災の発災当初、辻元氏が設立したピースボートがいわき市の支援物資を横流ししたとの情報に、「第一に、ピースボートの活動地域は、福島県いわき市ではなく、宮城県石巻市でした。いない団体が支援物資の足止めをすることはできません」と否定。残り7つのデマについても同様に全て否定する見解を掲載している。

 ただ、デマについては詳しく論拠を示して否定する辻元氏だが、秘書給与詐取事件をめぐり14年に衆院議員を辞職し、15年7月に逮捕され、16年2月に東京地裁で懲役2年執行猶予5年の有罪判決を受けたことについては、「デマについて」の「日本赤軍、過激派に関するデマ」の中に、関係を否定する根拠として「秘書給与問題のときの捜査の結果、どんな疑いも出てこなかったことから明らかです」などと触れているだけで、プロフィルに記載はなかった。

 「人の噂も七十五日」とばかりに、デマや醜聞に対しては静かに時が過ぎ去るのを待つことが多いが、わざわざコーナーまでつくるのは、それだけインターネット上には辻元氏に関する情報が数多く出回っているからだろう。デマに対して公式ウェブサイトで否定することで沈静化を図るのが狙いなのだろうが、これだけコーナーになっていれば辻元氏がデマや流言飛語と戦うイメージをネットユーザーに与える可能性もある。かつては、国会質問で集団的自衛権行使をめぐって小泉純一郎首相(当時)に「ソーリ」と12回も連呼して詰め寄り、「社民党のジャンヌダルク」と呼ばれたこともある辻元氏、たくましくデマさえも武器にし、ピンチをチャンスにしていると言えるかもしれない。

 翻って民進党、そして蓮舫代表(49)である。民進党は3月29日に「3つの疑惑」を報じた産経新聞政治部長宛てに柿沢未途役員室長名で抗議文を出し、「ネット上に流布している流言飛語をあたかも根拠ある疑惑であるかのように報道した」と批判した。真偽がよくわからない疑惑であるからこそ、それを当の本人に確認、その努力をして、読者に伝えるのは報道機関の役割だと思うが、民進党にとってはどうやら違うらしい。

 蓮舫氏は30日の記者会見で「辻元さんに対する言動のファクトチェックは極めて容易にできる。にもかかわらず、疑惑と報道した新聞社に対しては抗議文と法的措置も含めて対応を考えている」と強調した。産経新聞が31日朝刊に政治部長名で同党の抗議への反論記事を掲載すると、4月6日の記者会見では「報道の自由は保障されておりますので、産経新聞が自らの責任で見解を表明することには何ら反対はいたしません」と一転、強硬姿勢は腰砕けになった。代表就任直前に発覚した「二重国籍」問題の“真実”をいまだに明らかにしていない蓮舫氏が何を言っても世論の支持は得られず、逆に反発を買ったのだろう。

 ならば、辻元氏を見習って、「二重国籍」問題について、蓮舫氏自ら明らかにし、党のホームページで詳細に掲載したらどうだろう。なにしろ自身に関することだけに。ファクトチェックは、極めて容易、いや不要なはずだ。低迷を続ける民進党の支持率も上がるかもしれない。

(政治部 小島優)

最終更新:4/14(金) 12:52

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