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特許庁、ADR創設へ 特許制度改正案を自民党に提出

日刊工業新聞電子版 4/12(水) 11:53配信

パテント・トロール対策、適正ライセンス料制度化

 特許庁は11日、第4次産業革命を視野に入れた特許制度改正案を自民党に提出した。IoTにより機器や工場などがつながり、権利関係も複雑化する中、標準規格にのっとった製品を出す際に不可欠な特許(標準必須特許)を取得したパテント・トロールに狙われるリスクの高まりを想定。対策として専門家が適正なライセンス料などを決定し、裁定結果に法的拘束力を持たせる特許庁ADR(裁判外紛争処理手続き)制度を創設する方針。

 証拠収集手続きの機能強化も図る。2018年の国会に特許法改正法案を提出する見通し。

 パテント・トロールは、訴訟提起をちらつかせて法外なライセンス料の支払いを求め、米国などで社会問題となっている。一方、IoTの進展などにより情報通信関連の標準規格に含まれる標準必須特許が急増。パテント・トロールによる標準必須特許の権利乱用を防ぐ手段が求められる。

 特許庁はパテント・トロールによる権利乱用行為のうち、社会的に影響が大きい標準必須特許については、実施者の申請に基づき特許庁ADRを通じて、適正なライセンス条件を決定する仕組みを設ける方針。ライセンス料は、発明のインセンティブ(意欲刺激)と標準規格普及のバランスを重視して決める。

 知財紛争処理システムの機能強化を図る。特許権の侵害訴訟では技術的に高度な専門的な知見が必要で、裁判官や弁護士だけが見ても正確な判断が難しい場合がある。そこで、証拠収集手続きにおいて、秘密保持義務を結んだ技術専門家が裁判官を支援する制度を新たに導入する。

 また、営業秘密の漏えいを防ぐために所持者が提出した書類を裁判所だけが閲読する「インカメラ手続き」を可能とし、証拠調べにおける書類提出命令を出しやすくする。

最終更新:4/12(水) 11:53

日刊工業新聞電子版