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史上初の育成先発バッテリー勝利 ホークス千賀「拓也のおかげ。刺してくれたのも、リードも」

西日本スポーツ 4/12(水) 6:50配信

 意地の13K! WBCベストナインの千賀滉大投手(24)が今季初勝利だ。8回、6安打を許しながら、137球の熱投で無失点。チームの連敗も、自身から始まった先発陣の6回未満の降板も、ストップさせた。史上初の「育成出身先発バッテリー」として臨んだ4日の楽天戦で自己ワーストの7失点を喫して今季初黒星。はい上がった2人が日本ハムを相手に悪夢を消し去る初白星をつかんだ。

【写真】2012年に入団会見する千賀、牧原、甲斐

■連敗ストップ

 試合後のベンチ裏で千賀は女房役の甲斐を呼び止めた。「拓也! ありがとう」。今季最初のウイニングボールを渡した。「あいつとの初めての1勝」。前回4日楽天戦で4回7失点の憂き目を見た、球界初の育成出身先発バッテリー。今度は日本ハムを8回零封し初星を得た。甲斐には先発マスク4度目で初の先発星。「拓也のおかげ。刺してくれたのも、リードも」

 先頭岡への四球から無死一、三塁とされた2回。1死から大野への初球セーフティースクイズを冷静に外し、甲斐が瞬時の三塁けん制で刺してくれた。育成で同期同学年の2011年入団。「捕ってから投げるのが速いし、キャッチボールは僕より速いぐらい」。かつてのファーム本拠地、雁の巣で初めて見た姿は変わらない。「バタバタして今日やべぇなと思った」という序盤を切り抜け、波をつかまえた。

 最速153キロの直球で懐を突き、お化けフォークとの相乗効果が増した。自己最多タイ13個目の奪三振は3点差の8回2死二、三塁。狙いより高く入ったが、岡に外角フォークを空振りさせた。「一致してた。フォーク(のサイン)が出ると思ってた。投げミスだったけど腕は振れたし、あいつもそう要求してた」。前回2暴投で2失点の影を、共同作業で振り払った。

 雪辱への二人三脚は4日降板直後から始まった。ベンチ、ロッカー、時に宿舎の食事会場。そこら中で組み立てを語り、甲斐がノートに書き留めてくれた。「各打者のことも前回のこともしっかり話せた。つらい一週間を過ごしたくない一心でやってきた」

 千賀は前回からの修正点を「気持ち。集中力」と述べた。工藤監督も「この間とは違う集中力があった」と言う。ベストナインに輝いたWBCで見た景色。「マウンドから捕手まではいつも通りだけど、入り込んでるのに落ち着いてるというか…。周りがどうなってるか見られる。今までと違った感じ」。極限の集中を知る右腕を前に、大谷、中田を欠く手負いの打線は、いよいよ迫力を失った。

 昨秋CSで4失点し敗れた札幌で、チームの連敗を止めた。137球は自己最多タイ。指揮官は「新聞にも『完投する』と書いてあった。そういう気持ちで投げてくれた」とねぎらう。前回登板からチーム6戦続いた先発6回未満降板を、自身で止め、開幕戦和田以来の8回を全う。その和田が左肘の張りで出場選手登録を外れた中、光を差す一戦だった。「まず1勝。もうあんな迷惑かけないように」。雑草魂が確かな一歩を刻んだ。

=2017/04/12付 西日本スポーツ=

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最終更新:4/12(水) 6:50

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