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早大、CFRPとアルミ合金の接着技術を開発 ナノサイズの突起で強固に

日刊工業新聞電子版 4/12(水) 14:14配信

引張試験、接着界面壊れずアルミ破断

 早稲田大学理工学術院基幹理工学部の細井厚志准教授と川田宏之教授らは、熱可塑性炭素繊維強化プラスチック(CFRP)とアルミニウム合金の接着技術を開発した。アルミの表面にナノサイズの突起を形成し、樹脂と強固に接着させる。引張試験では接着界面は壊れず、アルミが破断した。3―5年での実用化を目指す。

 アルミの表面に曲率半径55ナノメートル、最大高さ2000ナノメートル程度の突起を無数に並べた。まずアルミ片に陽極酸化処理を施し網目状の穴を開ける。さらにリン酸などでアルミ表面を溶かすと、ナノサイズの突起が無数に残る。

 熱可塑性CFRPを270度Cで圧着させるとナノ突起の隙間に樹脂が入り込み強固に接着する。樹脂とアルミをシランカップリング剤で結合させ、より強度を向上した。

 幅25ミリメートルの試験片で長さ12・5ミリメートル接着した引張試験では、接着界面は壊れずアルミが破断した。接着長さを5ミリメートルに減らしたところ接着強度は約25メガパスカルだった。破壊面では樹脂が引きちぎられるように細かくけば立っていた。ナノ突起がなければ破壊面は平滑になる。ナノ突起が亀裂を抑え、疲労寿命を延ばすと考えられる。

 陽極酸化処理でアルミ合金の表面が絶縁性のアルミナになるため、CFRPとアルミの電位差で起こる電食を防げると見込まれる。加工設備は既存のアルマイト処理などの装置を転用可能。自動車の異種複合材(マルチマテリアル)利用に提案する。

最終更新:4/12(水) 14:14

日刊工業新聞電子版