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【SXSWで話題】高速回線技術でテレポーテーションライブ

ホウドウキョク 4/12(水) 18:30配信

1987年に音楽祭として始まり、以降毎年3月に開催されているイベントSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)。現在は、ミュージック(音楽)以外に、フィルム(映画)、インタラクティブ(テクノロジー)、コメディーの4部門に分かれていて、特にインタラクティブ部門は、世界中から集まるテクノロジースタートアップなどがこぞって参加して最先端の技術を披露していて、近年日本企業も意欲的に進出しています。
今年のイベントでNTTの出展に映像演出面で協力した太田慧ディレクター(AOI Pro.)に話を聞きました。

「CYBER TELEPORTATION TOKYO」のライブ動画を見る

太田
SXSWはアメリカ・オースティンで毎年開催されている世界から最新の音楽と映像が集まるフェスティバルなんですが、 そこに最初は最新テクノロジーが映像とかに付随して集まってきたものが、いまは完全にテクノロジーの祭典になっている。僕も機会があって今回作品をNTTさんと一緒に作らせていただいて、「CYBER TELEPORTATION TOKYO」というNTTのKirari!(キラリ)という映像処理技術や高速回線技術を駆使した音楽ライブをやってきました。

どんなライブだったのか。まずは動画をご覧ください。【リンク参照】

実はこのライブは、オースティンと東京で同じ時間に開催されたライブ。 日本のスタジオで撮影された映像を10000km離れたアメリカのオースティンにほぼ遅延なく送ることで、 あたかも「テレポーテーション」したかのようなライブ演出なんです。 しかも使用した透明なスクリーンがうまく活かされるように、 リアルタイムに人物以外の背景を消すという技術も組み合わせています。
音楽ライブができるほどの「遅れ」のない技術、 オースティンと東京と双方向に何回線もの映像を送っていて、 複数の映像をどれもが遅れなく転送することはすごく難しい技術なんだそうです。

太田
今年のSXSWには、すごい人数が来ていてどの展示も1時間待ちしないと入れない。僕らの展示には120人くらい入ることができたんですけど、200人くらいのお客さんは外のモニターで見ていただいた。

速水健朗
ダンサーが踊っていてDJが真ん中にいる。

太田
ステージ上には、左右と真ん中に映像が投影されています。左右全部違う映像が流れているんですが、このスクリーンは全部「透明」なんです。普通プロジェクターでは映像を白い布とかにあてるんですが、透明なんだけどあたる。しかもぐるりと回りこむと表と裏で違う映像が流れている。

確かにディスプレイの裏面に回ると…背中の映像!

久下真以子アナ
歌ってる人は実在しない?

太田
はい。この人は東京のスタジオで歌っていて、その人をテレポーテーションさせるっていう意図で。

速水
録画ではなくリアルタイム?

太田
そうです。 最新技術とエンターテイメントとの融合で、東京のスタジオはこういうふうになってる(下の写真)。左右の横に行った子が左右のスクリーンにパパパパッと出るようなシステムになっている。奥にいるDJの方は2017グラミー賞にノミネートされた日本人DJのstarRo(スターロー)さんという方なんですが、その人はオースティンの現場にいて音楽をセッションしている。

速水
現場で音のずれがあったら「なんじゃこりゃ?」ってなるわけですよね。そこがぴったしはまっているのがすごい。その回線はちょっとやそっとの回線ではない?

太田
NTTがこのために回線をひいている。聞いた話では4Kの映像を13本遅れなく送れるくらいの技術。その技術を使って面白いライブをやろうというのが発端。

久下
この技術を作りだしたのがNTT。で太田くんは?(※実は太田ディレクターは、久下アナと中高の同級生)

太田
「この透明のスクリーン使いましょう」というところから。そして、NTTにはリアルタイムに人が切り抜けるという技術もある。普通はグリーンバックとかで人を切り抜くが、これは普通にスタジオで歌ってても切り抜けちゃう。

速水
動画をそのままリアルタイムに処理していく?

太田
そうです。そうすると透明が積み重なった時に背景が見えないんで、動いたときのちょっとしたずれがかっこよかったりする。「じゃあ透明なスクリーンならべましょう」ということで、反対から見たら違う映像が見られるプロジェクションをして完全にテレポーテーション、表と裏も同期するし、日本とオースティンも同期する。

速水
それ本当に理解させるためには、普通の回線でこれやったらどのくらい遅れるのかみせないとわからないかもしれない。

太田
わからないのが大事なんですよね。NTTさんとか、テレビの世界もそうだと思うんですが遅れないのが当たり前。それを伝えるのは難しいんですけど、エンターテイメントにすることでこの技術を知ってもらう機会を増やす。

速水
一切気づかせない。現場の反応は?

太田
現場にいる人は回線のことは想像してないけど、ただ単純に「映像すげえじゃん。これリアルタイムでやってるの?」とものすごいざわつき。一番聞かれたのが、海外からいろんな映像のプロフェッショナルのスタッフが集まっていて、音声チームとか映像チーム同士が「これどうやってやってるの?」って裏方さんがざわつく。

速水
わかる人がびっくりしちゃうんだ。これができる原理に。

久下
なんで太田が選ばれた?

太田
僕CMもやるけどこういうデジタル系もやっている一面もあります。

久下
太田すごいな。

速水
信じてなかったんだ(笑)

久下
改めてすごいなと。

速水
SXSWには、いままでも行ったことある?

太田
僕は初めて。ただ、JAPAN FACTORYっていう日本の企業が集まる展示場もあったりして、それと今年はソニーが大きかったんですけどすごいエキシビションをやってました。

速水
他の展示も見ました?

太田
僕行けなかったんですけど、入るのに金額もすごい高い、回るのが凄い大変。待ち時間とかもあって見たいものがみれない、という話は言ってた。

速水
海外で刺激うけますよね?

太田
是非行った方がいい。映像とかデジタルとか志す人は一度は行った方がいいと思います。

4月3日放送「ホウドウキョク×FLAG7」より

最終更新:4/12(水) 18:30

ホウドウキョク