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圧倒的な見応え! 必見の奈良・快慶展

4/12(水) 12:00配信

Lmaga.jp

鎌倉時代を代表する仏師といえば、運慶と快慶。彼らが作った東大寺南大門の金剛力士像は、日本人なら誰もが知る名品中の名品です。その両雄のうち、快慶の実像に迫る大規模展が、6月4日まで「奈良国立博物館」(奈良県奈良市)でおこなわれています。

【写真】快慶作品の中でもとくに有名なもののひとつ、奈良・東大寺の「僧形八幡神坐像」(奈良国立博物館、6月4日まで)

慶派の仏像の特徴は、鎌倉時代の気風を伝えるダイナミックな造形にあります。しかし快慶の場合はそれにとどまりません。動と静の絶妙のバランス、鉄壁の安定感に裏打ちされた格調の高さを併せ持っており、仏像の理想形というべき境地に達しているのです。特に阿弥陀如来立像は後世に「安阿弥様」と称され、来迎阿弥陀の一典型として長らく影響力を保ち続けました。

本展の見どころを挙げるときりがありませんが、ダイナミックな作品なら、和歌山・金剛峯寺の四天王像のうち「広目天」と「多聞天」、「執金剛神立像」、「深沙大将立像」、京都・金剛院の「金剛力士像」、写実性なら、兵庫・浄土寺の「重源上人坐像」と奈良・東大寺の「僧形八幡神坐像」、優美なお姿なら、米国・ボストン美術館の「弥勒菩薩立像」、京都・勝龍寺の「菩薩立像」、奈良・東大寺の「聖観音立像」を挙げておきます。

さらに、快慶が数多く制作し、背の高さから「三尺阿弥陀」と呼ばれる阿弥陀如来立像の数々、迎講という法会を意識して並べられた兵庫・浄土寺の「阿弥陀如来立像」と「菩薩面」25面に、迎講を始めた僧・重源の坐像が相対する展示も見逃せません。快慶の大規模展といえば、1994年の「運慶・快慶とその弟子たち」(奈良国立博物館)が思い出されます。その後23年を要したことからも分かる通り、今回のように充実した快慶展がおこなわれるのは、運が良くても数十年に一度でしょう。この貴重な機会を一人でも多くの人に体験してほしいと思います。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

最終更新:4/12(水) 12:00
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