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校舎から生まれる新しいチャレンジ!FUKUOKA growth next始動

アスキー 4/13(木) 7:00配信

旧大名小学校の跡地を用いた福岡のスタートアップ支援施設「FUKUOKA growth next」がいよいよ始動
4月12日、福岡市、福岡地所、さくらインターネット、アパマンショップホールディングスの4社は、福岡市内の旧大名小学校の跡地にスタートアップ支援施設「FUKUOKA growth next」を開所した。施設の概要とオープニングイベントをお伝えしよう。
 

スタートアップに必要なすべてを旧小学校の校舎に集積
 2017年2月に発表されたFUKUOKA growth nextは、福岡市の商業地域である天神地区の旧大名小学校跡地を用いたスタートアップ支援施設。スタートアップの集積を目指す福岡市と、公募に応じた福岡地所、さくらインターネット、アパマンホールディングスの4社が運営を行ない、天神地区の再開発が始まる2018年の9月までプロジェクトは続けられる。
 
 2014年9月に閉校となった旧大名小学校の校舎を改装した施設内には、「チームルーム」と呼ばれる部屋のほか、シェアオフィスやコワーキングスペース、会議室などが用意され、100社以上のスタートアップ・地元企業が入居する予定。また、天神のTSUTAYA内にあったStartup Cafeもこちらに移設され、福岡市雇用労働相談センター(FECC)の弁護士の相談も受けられる。さらに3Dプリンターやレーザーカッターなどが設置されたDIYスペース「GOODAY FAB」や地元のコーヒーショップ(ハニー珈琲)、スタートアップ界隈ではおなじみの立ち飲みバー「awabar」も併設される。
 
 こうしたファシリティをベースにFUKUOKA growth nextでは教育支援、官民連携、コミュニティ形成、ヒューマンリソース、資本の呼び込み、情報発信など6つの観点で、スタートアップを支援する。具体的な施策としては、Mistletoe代表取締役社長兼CEOの孫泰蔵氏やABBAlab代表取締役小笠原治氏による起業のための集中スクーリングを年に数回実施するほか、カンファレンス、ピッチイベント、メンタリングなどを定期的に開催。起業を目指すアントレプレナーのみならず、デザイナーやエンジニアの育成までをカバーするという。
 
チャレンジが尊敬される文化を福岡で生み出し、発信していく
 オープニングセレモニーに登壇した髙島宗一郎市長は、「福岡市内でもっとも長い140年の歴史を持つこの小学校が、新しい福岡の未来を作っていく施設に今日生まれ変わります」と高らかに宣言する。
 
 さらに髙島市長は、迎えたStartup 2.0が過去のさまざまな関係者の尽力の上に成り立っている点を強調しつつ、集約型の支援施設を作ることでさまざまな化学反応が起こることを期待した。その上で、「みんなで新しい時代を切り開いていく、チャレンジすることが尊敬される。そんな文化をこの福岡で生み出し、日本中に発信していく」と語り、グローバルに羽ばたくメガベンチャーを生み出す苗床にしていく方向性を示した。
 
 その後、福岡地所、さくらインターネット、アパマンホールディングスなど共同事業体の各社のほか、Startup Cafeを運営する九州TSUTAYA、福岡市雇用労働相談センター(FECC)、大名自治評議会の代表が挨拶。最後に国際交流支援のMOUを締結している台湾の台北市とTaiwan Startup Hubの代表も祝辞を述べ、記念品の贈呈を行なった。
 
チャレンジのまちでチャレンジするスタートアップたち
 オープニングセレモニーの後半は、オルターブース、リーボ、Qurate、タグフィット、九州大学起業部、tsumugなどFUKUOKA growth nextに入居予定の6社がピッチを実施。事業の説明やFUKUOKA growth nextへの期待をアピールした。
 
ソフトウェアからスタートした福岡市で生まれた「ハコモノ」の意義
 FUKUOKA growth nextに至るまでには、約5年におよぶ下地作りがあった。福岡市は2012年9月に「スタートアップ都市ふくおか」を宣言し、髙島宗一郎市長のリーダーシップの下、政策としてスタートアップ支援を推進してきた。その後、スタートアップイベントの誘致やイノベーションスタジオの開始を経て、2014年5月には「グローバル創業・雇用創出特区」の国家戦略特区に指定されている。
 
 福岡市が「Startup 1.0」と位置づける第2フェーズにおいては、対象を創業者のみならず、その予備軍や学生、既存企業に拡げるべく、スタートアップカフェやスタートアップ奨学金などの制度を開始。また、グローバル化を見据えたスタートアップビザや国際交流支援のMoUの締結を進めてきた。そして、今回新たなフェーズである「Startup 2.0」としてエコシステムの集中化とそれによる化学反応を目的としたFUKUOKA growth nextの設立に至った。
 
 官民連携が進む福岡市のスタートアップの熱量は、以前からお伝えしているとおり。データセンターやコワーキングスペースといったハコモノより先に、人材やコミュニティ、支援体制などソフトウェアから始めたからこそ、福岡市は他に先んじたスタートアップ支援体制を実現できたといえる。長年の土作りを経た結果としてようやく生まれたハコモノだけに、福岡市のスタートアップの隆盛がますます高まるのは間違いない。こう考えると、「成長の次」を意味するFUKUOKA growth nextの名前が意味深く思われてくる。
 
 
文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

最終更新:4/17(月) 18:52

アスキー