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是正通知に自治体困惑 「ふるさと納税」返礼品

茨城新聞クロスアイ 4/13(木) 4:00配信

過熱する「ふるさと納税」の返礼品競争に歯止めをかけようと、国が自治体に通知した、返礼品の調達額の目安を寄付額の3割以下とするなどの制度の是正策に対し、県内の自治体が戸惑いを見せている。総務省が家電製品や家具の全廃を求めているのに対し、日立製作所の製品を返礼品に加えている日立市は「(同社の)家電は地場産品」と困惑する。他の市町村からも「地域の実情を分かってほしい」と、地域PRに欠かせない返礼品に理解を求める声が上がっている。


日立市は、国の要請に対し、早急に方向性を示す方針。市関係者は「白物家電は地元工場で作っている“地場産品”。家電といっても幅広く、返礼品の炊飯器や掃除機の資産性が高いかどうかは議論の余地がある」とし、十数万円相当の電子レンジ以外は返礼品として継続したい考えだ。

寄付を募る際、同市は「転売目的の申し込みは趣旨に反するので遠慮を」と明示。今後は、同一人物が幾つもの家電製品を受け取る行為などを禁止する予定という。

同市は、2014年度には70万円台だった寄付額が、返礼品に家電品を加えたことなどから15年度は約8億1400万円に激増。同市民が他の自治体に寄付した「持ち出し分」の税額控除約4800万円と、返礼品を含む費用約4億円を除いた収支は約3億6500万円。県内市町村のうち境町に次いで2番目に多く、16年度の寄付額は10億円を超える見通しとする。

また、返礼品の一部に家具を加えている水戸市は、慎重に成り行きを見守る。家具は地元業者が扱っており、継続については他市町村の情勢や総務省の判断を待つ考え。制度の趣旨に基づき、同市民の寄付には返礼品送付を行っておらず、15年度の収支は約1億3800万円のマイナス。税額控除の減収分の75%は国からの交付税で戻るものの、「それでも寄付は集めたい。悩ましい問題」(市民税課)とジレンマを抱える。

ふるさと納税を2月に開始したばかりのつくば市は、15年度の税額控除が1億8千万円余りに上ったのに対し、寄付は約260万円にとどまり収支は県内最下位。現在、返礼品は、地元の農産物や立ち乗り電動二輪車セグウェイ試乗などを用意し、「調達額は3割以内に収まっている」(企画経営課)として、見直す予定はない。

このほか、常総市は15年度、9月の関東・東北豪雨被災の影響で返礼品をなくしたものの、被災地支援の趣旨もあり、寄付額は県内10位の約1億2300万円に上った。 (黒崎哲夫)

★ふるさと納税に関する総務省通知

ふるさと納税は税収の少ない地方を応援する趣旨で2008年度に始まったが、ここ数年、返礼品競争が過熱。昨年4月の通知に続き、総務省が「制度の趣旨に反する」として1日、金銭類似性の高い商品券や、資産性が高い電気・電子機器、家具、自転車などの廃止を求めた。転売対策の有無や地域への経済効果に関係なく、送付しないよう要請。返礼品の調達額については「3割以下」と初めて目安を示した。地方自治法に基づく「技術的な助言」で拘束力はない。

茨城新聞社

最終更新:4/13(木) 4:04

茨城新聞クロスアイ