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死してなお鞭打たれるトルコのクルド人 破壊された墓前で残された者たちは

4/16(日) 14:20配信

THE PAGE

 シズレ封鎖中に殺された人々の新しい墓地が、小高い丘の中腹につくられていた。既存の墓地にはあらたに犠牲となった200人以上を葬るスペースが残っていなかったのだ。

フォト・ジャーナル<トルコ~クルド人の悲劇>- 高橋邦典 第44回

 少女を連れた女性が、墓石の横に腰をおろしていた。 墓石にはカシムという名が記されている。彼女の夫か息子なのだろう。墓に向かってなにやら話しかけながら、時折目頭を押さえてすすり泣いていた。

 虐殺から数カ月が経つというのに、未だ身元が分からない遺体の墓石には番号だけが記されている。以前からあった墓地を訪れると、砕かれた墓石が散乱していた。数年前に埋葬されたPKKのメンバー達のものだ。治安部隊の兵士たちがやってきて、壊していったという。住人たちへの無差別の殺戮のみならず、文字通り「死者に鞭打つ」心なき行為だった。

(2016年6月撮影)

※この記事はTHE PAGEの写真家・高橋邦典氏による連載「フォト・ジャーナル<トルコ~クルド人の悲劇>」の一部を抜粋したものです。

最終更新:4/18(火) 5:37
THE PAGE