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食品の付加価値向上へ、プロ始動 静岡県の産業プロジェクト

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 4/13(木) 8:05配信

 食品関連産業の振興と集積を図る静岡県の「フーズ・サイエンスヒルズプロジェクト」の推進役として採用された専門アドバイザー2人が今月から始動した。プロジェクトで生み出した製品の販路開拓と、機能性表示食品を中心とした研究開発の支援を担う。中小企業にとって課題とされてきた売り先の安定確保をはじめ、製品の「出口」戦略を強化する。

 プロジェクトの中核支援機関「県産業振興財団フーズ・サイエンスセンター(FSC)」が採用したアドバイザーは、元シャンソン化粧品営業部長の海野佳明さん(66)と元三井農林食品総合研究所所長の南条文雄さん(60)。海野さんはスーパーやドラッグストア向けに問屋経由の新しい販路を全国に開拓した実績を生かす。南条さんは茶に含まれるカテキンの機能性研究や紅茶などの新商品開発のほか、60以上の特許申請などにも携わった経験がある。

 2人に期待されているのは、豊富な人脈の活用と事業の目利きの役割。県新産業集積課によると、2002年度のフーズ・サイエンスヒルズプロジェクトの始動後、計184件(16年12月末時点)の製品の事業化を支援した。一方で、生産ロットや流通網が限られる中小企業には、試作品開発や市販化にこぎ着けた製品の継続販売はハードルが高い。機能性表示食品制度のスタートでより差別化が求められる食品業界では、専門家を投入してニーズに基づくものづくりや、機能性表示品に限らず、素材や加工の工夫を含めた高付加価値型の開発に力点を置く必要があった。

 商社関係者などとコンタクトを取り始めている海野さんは「ニーズが高まっているのは地域性にこだわった商品」と多彩な地域資源を持つ県産食品の売り込みに商機を見いだす。機能性食品の素材開拓や応用展開を探る南条さんは「成功例を出すことで、企業の挑戦につながる支援をしていきたい」と意気込む。



 <メモ>静岡県の食料品と飲料等の合計製造品出荷額は14年実績で約2.3兆円と都道府県別トップ。進行中のフーズ・サイエンスヒルズプロジェクトの第2次戦略計画(2015~19年度)では、出荷額以外に、利益などを示す「合計付加価値額」の目標値を初めて設定した。高付加価値型食品の開発や販路開拓の強化を通じ、同値を約8300億円から計画最終年度に1兆円に引き上げる計画。

静岡新聞社

最終更新:4/13(木) 10:18

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS