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SIGFOXがもたらす革新、IoT通信料売り切りセンサーなどを展開へ

MONOist 4/13(木) 5:55配信

 京セラ子会社の京セラコミュニケーションシステム(以下、KCCS)は2017年4月11日、「SIGFOX」の本格展開に伴い「SIGFOX開業式」を開催した。

【東京近郊と大阪市のSIGFOXカバーエリアなど画像7枚】

 KCCSは2016年11月にフランスのSIGFOX(シグフォックス)と提携し、シグフォックスが提供するIoT(モノのインターネット)ネットワーク「SIGFOX」を日本で展開することを発表していた。


 「SIGFOX」はIoTに最適なネットワークとして注目されるLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの1つである。IoTは、さまざまな利用が検討されているが、用途の大半はデータ量が少なく、通信回数も少ない、状態監視などであると見られている。こうした場合、通常のキャリアネットワークでは、通信料金が高すぎたり、通信のための消費電力がかかりすぎたりするなど、利用の障害となっていた。こうした中で注目を集めているのが、無線通信として、低価格、省電力で広域をカバーできるLPWA(Low Power Wide Area)である。

 「SIGFOX」はIoTに特化したネットワークで、データ通信能力はそれほど高くないものの、低価格、省電力、長距離伝送が可能である点が特徴である。既に欧米を中心に32カ国で展開、2018年までに60カ国に増加する予定だという。日本ではKCCSが2016年10月以降、基地局の整備などを進め、2017年2月にはサービスを開始。今回は本格展開に向けて「SIGFOX開業式」を開催した。

 KCCS 代表取締役社長の黒瀬善仁氏は「通信ネットワークを振り返ると、電話が登場した120年前、場所と場所とつなぐということが可能となった。その後、20年前に携帯電話が登場し、人と人がつながるようになった。そしてIoTが登場し、あらゆるものがつながる世界が登場しようとしている。しかし、現在の高速大容量化を目的としてきた通信ネットワークは低速小容量を中心とするIoTには適していない。このギャップを埋めるのがSIGFOXである」と語る。

 KCCSでは2017年3月までに東京23区、川崎市、横浜市、大阪市でサービスを開始するとしてきたが、現状では「東京23区、川崎市、横浜市のほぼ半分、大阪市のほぼ全域をカバーしている」(黒瀬氏)。

 今後は2018年3月に主要36都市をカバーし、2018年3月に人口カバー率85%、2019年3月に99%を目指すとしている。

●パートナー企業は94社に

 KCCSでは、SIGFOXの展開において、センサーデバイスを開発するデバイスパートナーの他、インテグレーションを行うインテグレーションパートナー、アプリケーション開発を行うアプリケーションパートナーなど、パートナーシップによりエコシステム構築を推進。2017年4月10日時点で、94社がパートナーシップに加入しており、35社がデバイスパートナー、61社がインテグレーションパートナー、26社がアプリケーションパートナーになっているという。

 さらに、SIGFOX通信モジュールの提供なども既に進んでいる。村田製作所やSMK、InnoComm、WiSoLなどから通信モジュールや評価ボードなどが発売。徐々にラインアップの拡大なども進んでいる。

●広がる、通信料売り切りの世界

 SIGFOXそのものの機能強化なども進行。SIGFOXネットワークを利用し、基地局間の電波の強弱だけで位置情報を簡易に取得できる「SIGFOX Spot'it」などに加え、SIGFOXネットワークに対応したArduino拡張ボードの提供なども行う計画を示す。新たなSIGFOXデバイスの試作機をより早期に開発できるようにする。

 さらに、温湿度、照度、磁気、加速度、ジャイロ、ボタンの6種類のセンシング機能と1年間のSIGFOX通信回線料金を込みで展開するSIGFOXエントリーデバイスを用意。1台当たり7000円で提供する。1日に140回までの通信が可能で、2017年夏頃から展開を開始する。

 また、従来はSIGFOX製品の認証を得るためにはフランスにデバイスを送らなければならなかったが、新たにテュフ・ラインランドがSIGFOX公式認証試験ラボに認定されたため、SIGFOX認証プログラムを国内で取得できるようになった。デバイス開発のスピードアップに貢献する。

最終更新:4/13(木) 5:55

MONOist