ここから本文です

【中日】菅原道真の末裔がワースト記録から救う…昨年育成入団のサイド右腕・三ツ間

スポーツ報知 4/13(木) 6:08配信

◆ヤクルト2―5中日=10回=(12日・神宮)

 「梅」ではなく桜の花びらが舞う神宮で、菅原道真公の末裔(まつえい)がプロ初勝利を手にした。同点の8回。マウンドに立ったのは昨年に育成で入団し、支配下登録1年目のサイド右腕・三ツ間だった。

 1死から同学年のヤクルト・山田を外角低めいっぱい、140キロの直球で見逃し三振に仕留めた。「同年代で一番活躍している選手。右打者を抑えるのが右サイドの役目。三振を狙いました」。この回を3人で封じ、9回も無失点。2回1安打、3奪三振の好投で延長10回の勝ち越し劇を呼び込んだ。中日の育成ドラフトで入団した投手が、1軍の公式戦で勝利するのは史上初だ。

 高千穂大4年だった2014年12月、母方の祖父・桑原秀明さんに家系図を見せられ、道真公に連なる出自を知った。「家族全員で『ウソでしょ!』と言いました」。学問の神様として親しまれるご先祖様。しかし、三ツ間はエリート街道とは無縁の雑草派だ。大学時代は全くの無名で、BC武蔵を経て15年育成ドラフト3位で入団。「神宮なんて無関係で縁のない場所だと思っていました」と、学生野球の聖地でつかみ取ったウィニングボールを握りしめた。

 この試合も含めて開幕から7戦連続無失点。当初は敗戦処理のような起用だったが、競り合いでの“切り札”になりつつある。3月31日の巨人戦(東京D)で1イニング完全デビューした際には「緊張した。打者の顔を見られなかった」と打ち明けたが、この日は「冷静に投げられた」とマウンド度胸も急成長中だ。

 仮に引き分けるか敗れていれば、開幕10試合を終えて1勝止まりとなり、1936年の球団創設から史上初の屈辱になるところだった。そんな祟(たた)りを封じ込められたのも、道真公のおかげか。早くも4度目の延長戦を制して今季2勝目を挙げた中日に、頼もしい天神様が出現した。(田中 昌宏)

 ◆三ツ間 卓也(みつま・たくや)1992年7月22日、群馬・高崎市生まれ。24歳。健大高崎高では控え投手で甲子園出場なし。高千穂大を経て一般企業への就職が内定していたが、辞退してBCリーグ武蔵に入団。2015年育成ドラフト3位で中日入団。今年から支配下登録。183センチ、92キロ。右投右打。年俸440万円。

 ◆菅原 道真(すがわら・みちざね)承和12年6月25日(西暦845年8月1日)、現在の奈良市生まれとされる平安時代の学者、政治家。幼少期から詩作や学問にたけ、「学問の神様」として親しまれる。醍醐天皇の治世で右大臣になるが、無実の謀略のかどで大宰府へ左遷。京を離れる際に「東風(こち)吹かば にほひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」と詠んだ。同地での死後、京で朝廷要人の死傷が相次ぐなど「たたり」を恐れた朝廷が名誉を回復させた。北野天満宮は道真の怨霊を鎮めるために建立。延喜3年2月25日(903年3月26日)没。

最終更新:4/13(木) 12:00

スポーツ報知