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朝鮮半島有事…暫定機構の同意得て自衛隊が拉致被害者救出

産経新聞 4/13(木) 7:55配信

 ■米へ情報提供と協力要請

 政府が朝鮮半島有事発生時に北朝鮮による拉致被害者を救出するため、暫定統治機構の同意に基づき自衛隊機が輸送を担う案を検討していることが12日、分かった。平成16(2004)年にフセイン政権崩壊後のイラクで自衛隊が邦人を輸送した先例を念頭に置いている。ただ自衛隊の武器使用には制限があるため安全な任務遂行が難しく、米軍の協力が必要としている。

 安倍晋三首相は12日、自民党の山谷えり子拉致問題対策本部長と首相官邸で面会し、「さまざまな事態が起こった際には、拉致被害者の救出に向けて米国側の協力を要請している」と述べた。山谷氏は拉致被害者救出に向けた体制整備や訓練強化などを含む提言書を手渡した。

 現行法では、自衛隊が拉致被害者を救出するためには「受け入れ国」である北朝鮮の同意が必要となり、実現は難しい。しかし、朝鮮半島有事で北朝鮮の政権が崩壊すれば、国連決議に基づく暫定統治機構が設置される可能性がある。16年4月に航空自衛隊機がイラクからクウェートに邦人10人を輸送した際、暫定統治機構の同意を根拠とした。自民党拉致問題対策本部の提言のとりまとめの過程でも、政府側が「イラク方式」に言及したという。

 自衛隊が拉致被害者を救出する場合、陸上自衛隊の特殊部隊・特殊作戦群が北朝鮮近海に展開する護衛艦からヘリコプターで現地に向かうケースが想定される。ただ、自衛隊の武器使用は相手の出方に応じて必要最小限度に抑える「警察比例の原則」に従わなければならない。

 このため、政府はこれまで米政府に対し、拉致被害者に関する情報を提供し、安全確保のための協力を要請。救出作戦の実施に必要な制空権確保も米軍に依存すると位置づけている。

最終更新:4/13(木) 9:42

産経新聞