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<米露外相会談>溝深い両国 トランプ氏「史上最低レベル」

毎日新聞 4/13(木) 19:45配信

 【モスクワ杉尾直哉、ワシントン会川晴之】ティラーソン米国務長官は12日、モスクワでロシアのラブロフ外相、プーチン大統領と相次いで会談した。テロとの戦いや朝鮮半島の非核化実現などで一致し関係改善に意欲は示したものの、シリア情勢を巡って深まる溝は埋まらなかった。トランプ米大統領はホワイトハウスで開いた記者会見で、両国関係の現状を「史上最低のレベル」にあると語った。

 ロシアが後ろ盾となるシリア政府軍の化学兵器使用疑惑、それに対抗した米軍による攻撃で両国の緊張が高まるなか、外相会談は4時間、両外相とプーチン氏による会談は約2時間に及んだ。シリア問題のほか、北朝鮮の核・ミサイル開発問題、ウクライナ紛争など幅広い課題を協議した。

 一連の会談後に開かれた共同記者会見で、ティラーソン氏は「両国の信頼関係は低いレベルにある」と発言。ただ、「このような関係であってはならない」とも述べ、改善に意欲を示した。ラブロフ氏は関係改善の具体策を探るための作業部会を設置し、双方が「特別代表」を任命することに合意したと表明した。

 シリア問題でも、化学兵器使用を検証するため、化学兵器禁止機関(OPCW)による調査実施に合意した。しかし、ティラーソン氏が、化学兵器の使用により多数の民間人犠牲者を出したことを理由に「アサド家の治世は終わりに近づいている」と早期退陣が必要との考えを示す一方、ラブロフ氏は「政権側が化学兵器を使用した証拠はない」と反論した。

 トランプ氏はホワイトハウスでの会見で、外相会談が「非常にうまくいったと聞いている。想定以上かもしれない」と語ったが、関係改善の見通しについては「そうなれば素晴らしいことだが、逆になるかもしれない」と、慎重な姿勢を崩さなかった。

 またトランプ氏は、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、アサド政権打倒について「私がそれを主張したことがあるかい?」と述べ、当面の間は、政権打倒のための軍事行動を取る考えがないと強調した。

最終更新:4/13(木) 20:41

毎日新聞