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ジブリの世界を支え、消えようとしている背景美術

4/13(木) 11:51配信

BuzzFeed Japan

「トトロの森」、「もののけの森」…息吹すら感じるスタジオジブリの背景はすべて手で描かれ、世界から絶賛される。しかし、「このままでは枯渇する」と危惧する人がいる。スタジオジブリで『かぐや姫の物語』、『思い出のマーニー』のプロデューサーを務めた西村義明だ。ジブリと言えば、長編アニメーションでヒット作ばかり。なぜそんな発言をするのだろうか? 【BuzzFeed Japan / 嘉島唯 / 山崎春奈】

スタジオジブリの解散と、庵野・川上・西村

2014年、スタジオジブリの制作部門は解散し、それに伴い西村も同社を退社した。「ジブリ」という冠を失ったが、スタジオ解散後に高畑監督の『かぐや姫の物語』がアカデミー賞にノミネートされ、ある決意をする。

現地で出会った世界のアニメーターたちが「ジブリ作品はBeautiful」と絶賛していたのだ。西村いわく、Beautifulという賛辞は、CGアニメーション作品に使われることは少ない。なぜ、ジブリが特別な美しさを持ちえたのだろうか。

それは、写真でもCGでもなく、手描きの職人たちによって生み出された絵の力、絵画性にある。しかし、目の前でそれが失われようとしていた。スタジオジブリのクリエイターたちはバラバラになってしまったからだ。

そこで、2つのことを思いつく。ひとつは世界から絶賛されるジブリの背景美術を残すこと。もうひとつが、スタジオポノックを立ち上げ、「宮崎駿の後継者」とも呼ばれる米林監督の作品を作ることだった。

しかし、優秀な美術スタッフの生活を支えるだけの金銭的体力はなかった。

西村はドワンゴの川上量生会長に支援を願い出た。川上はドワンゴの会長を務めながら、スタジオジブリで「プロデューサー見習い」をして、アカデミー賞に同行していたのだ。空港のロビーで西村から発せられた急な懇願に、川上は「いいっすね」と淡々と返事をし、協力者の提案をしたという。庵野秀明監督だ。

帰国後、3人はすぐに落ち合うことになった。庵野は西村の話に賛同し、ドワンゴ、カラー、スタジオポノックの3社の出資によって背景美術スタジオ「でほぎゃらりー」が設立された。

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最終更新:4/13(木) 23:45
BuzzFeed Japan