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災害拠点病院、BCPを義務化 厚労省、熊本教訓に

西日本新聞 4/13(木) 10:55配信

 厚生労働省は、災害時に24時間体制で傷病者を受け入れる「災害拠点病院」に対し、被災しても速やかに機能を回復し、診療を続けるための業務継続計画(BCP)策定を義務化した。東日本大震災以降、努力目標としてきたが、熊本地震を教訓に備えを強化する。都道府県に3月31日付で、指定要件に追加するよう通知。各病院は対応を迫られる。

 BCPは被災した病院のダメージを最小限に抑え、早期に回復し、被災者の診療に当たれる事前の備えや対応を盛り込んだマニュアル。通知では、BCPに基づく研修や訓練の実施も指定要件とした。既存の災害拠点病院は、2019年3月までに策定することを前提に指定を継続できる。

 今年3月現在、災害拠点病院は約710あり、BCP策定済みは45%。九州は103施設のうち23カ所(約22%)にとどまる。

 熊本地震では熊本県内の約6割の医療機関が被災。県によると、ライフラインが途絶えるなどして、14病院が入院患者計1243人を転院させざるを得なくなった。震災関連死の認定では病院機能の低下が原因とされた被災者もおり、BCPの整備が課題として浮上していた。

 多くの病院は初動対応をまとめたマニュアルを作成しているが、BCPはより実践的、具体的な内容が求められる。例えば「震度6弱以上で職員参集」だけでは、交通の遮断時には対応できない。BCPでは「近隣に職員を住まわせる」「自転車など移動手段の確保」といった具体策が必要になる。

 医薬品やガス、酸素などの備蓄やライフラインの確保、病棟の安全性評価の仕組みなども必要で、計画の項目は多岐にわたる。厚労省は、策定のための研修会開催を検討している。

 九州で最も多い30の災害拠点病院を指定する福岡県で策定済みは7病院。医療指導課は「内容が幅広く、部署間の調整も必要で策定が難航している病院もある。参考となる病院のBCPを提供するなど支援を考えたい」としている。

【ワードBOX】災害拠点病院

 災害時に24時間体制で傷病者の受け入れができる病院。病棟や備蓄倉庫など施設整備の国庫補助が受けられる。1995年の阪神大震災を教訓に整備が始まった。都道府県による指定要件は、災害派遣医療チーム(DMAT)の保有▽原則として敷地内にヘリコプターの離着陸場▽3日程度の備蓄-など。東日本大震災を受けて「通常時の6割程度の発電容量のある自家発電機等の保有」も追加された。

=2017/04/13付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:4/13(木) 12:31

西日本新聞