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格安スマホのサブブランドは、グループ連携か共食いか

ニュースイッチ 4/13(木) 12:10配信

KDDIとソフトバンクが対抗策。顧客争奪の仁義なき戦い

 格安スマートフォンの台頭は大手キャリアにとって脅威になっている。LINEなど知名度の高い新規参入者が相次ぎ、顧客の流出に歯止めがかかっていない。防戦一方の大手2社は対抗策として、傘下の割安なサブブランドを強化している。顧客を囲い込み物販などに商機を広げる戦略だが、通信料の利幅が低下する恐れもある。行き着く先は高収益ビジネスへの転換か、それともカニバリゼーション(共食い)か―。

 KDDI傘下のUQコミュニケーションズ(東京都港区)。そのブランド店「UQスポット」には「au」の看板が屹立(きつりつ)する。「『au』は知っているが『UQモバイル』は知らないという消費者を取り込む」。営業部門営業企画部の霜田剛平副部長は、看板を掲げた狙いをそう説明する。

 UQコミュニケーションズは2016年秋から格安スマホ「UQモバイル」の広告出稿を積極化し「UQスポット」の出店も始めた。店舗内ではauスマホの展示・案内も行っており、グループで顧客を取りこぼさないようにする狙いが透けて見える。

 KDDIはスマホの顧客などに物販など多様なサービスを提供し、1人当たりの収益を拡大する成長戦略を持つ。その戦略を加速する上でもUQモバイルによる顧客の確保は重要な意味を持つ。KDDIの田中孝司社長は「(格安スマホサービスの拡大が)今後の増収を牽(けん)引する」と力を込める。

 ソフトバンクも「ソフトバンク」と、サブブランド「ワイモバイル」との連携を強化する動きが鮮明になってきた。NTTドコモやauの顧客がワイモバイルに移行する際に適用していたスマホ利用料の割引サービスについて、3月以降はソフトバンクからの移行にも適用した。割安感を求める顧客の受け皿としてワイモバイルの訴求力を高め、顧客の流出を積極的に防ぐ。

 16年11月には、ソフトバンクとワイモバイルを併売する1号店を高知市に開設。今後の併売店の計画は未定だが、1号店での相互送客の効果などを見極めた上で拡大する可能性は高そうだ。また、ヤフーの電子商取引サイトの利用を促すポイント施策を展開している。

距離を置くドコモの戦略は吉とでるか

 大手2社のサブブランドは流出防止に一定の効果を果たしているが、通信料の低下は避けられない。通信以外のビジネスでいかに収益力を高めるかが問われる。

 一方、格安ブランドを持たないドコモは、こうした動きに距離を置く。格安スマホ事業者の大半がドコモ回線を利用しており、格安スマホの利用が増えればドコモ回線の収入増につながるからだ。格安スマホの影響は「(良しあし)両面ある」(吉沢和弘社長)とみており「競争」と「協調」を基本戦略に対応する。

 ただドコモと言えど、格安スマホの影響は避けられない。このため従来型携帯電話からスマホへの移行を促すプランを投入して顧客流出を防ぐ。また格安スマホ事業者とコンテンツサービス「dマーケット」の販売で協力関係を構築。コンテンツで稼げる体制作りを急ぐ。

 格安スマホの存在感が増す中、大手キャリアはサブブランドやコンテンツサービスを通じ迎撃し始めた。仁義なき戦いの幕が開けようとしている。

最終更新:4/13(木) 12:10

ニュースイッチ