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樹齢800年、枯れ死寸前の蒲ザクラが満開 北本の名木、樹勢を回復

埼玉新聞 4/13(木) 10:31配信

 枯れ死寸前とも言われていた埼玉県北本市石戸宿の東光寺境内にある国指定天然記念物で樹齢約800年の名木「石戸蒲ザクラ」が満開を迎え、今年も訪れる人たちを楽しませている。市教委文化財保護課は「かつての面影を残す蒲桜が今シーズンも見られます」と話している。

 高さ約12メートル、根回り約7・2メートルの石戸蒲ザクラはエドヒガンザクラとヤマザクラの自然雑種で一本しか存在しないという。日本五大桜の一つで、ソメイヨシノより開花が遅く、花も小さく、淡いピンク色の花を咲かせる。

 石戸蒲ザクラは昭和40年代に樹勢が衰え、4本あった幹のうち2本が台風で根元から折れた。50年代半ばには1本が残るのみになり、花も付けなくなった。

 樹勢を回復させようと市は1973年、根元にあった10基の板石塔婆(総重量3トン)を移動させた。すると4年後、根回りの負担が減ったためか10年ぶりに開花した。

 根回りにあった石垣を竹垣に替えるなど周囲を整備。幹の腐った部分を取り除き、2004年、新たな樹勢回復の試みとして特殊な液体肥料を土の中に噴射させ、根を傷めず土壌を改良したところ、花の付きが良くなった。

 今季もいつも通りに花を咲かせて市民を喜ばせている。「ここ数年、花やつぼみの数は同じ」と市文化財保護課は説明している。

 長年の取り組みで復活した蒲ザクラ。今後は根の伸張を促す技術を取り入れ、孫(ひこ)生えの成長も見守っていく。蒲ザクラはクローン栽培でも育てられ、市内の公民館や小中学校で観賞できる。

最終更新:4/13(木) 19:05

埼玉新聞