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【フォーミュラE】シーズン5の新マシン、今年10月に初テスト予定

motorsport.com 日本版 4/13(木) 18:13配信

 フォーミュラEのシャシーを供給するスパーク・レーシング・テクノロジーズは、シーズン5(2018/19年)用マシンのテスト日を今年10月に再調整した。昨年の夏に行われたシーズン5のバッテリー入札の期間が延長した影響により、当初立てていたスケジュールからわずかに遅れている。

スパーク社が公開した次世代マシンコンセプト(フロント側)。40kgの軽量化を実現したという

 そもそもFIAは、今年10月1日までにシーズン5のパッケージを各マニファクチャラーに用意することを目標に置いていた。しかし現在、シャシーのクラッシュテストは今年9月1日に予定されており、来年2月には全チームが参加する初回の合同テストが行われる模様だ。

 シーズン5のパワートレインマニファクチャラーとして登録された9メーカーには、すでにマクラーレン・アプライド・テクノロジーズ(MAT)が開発を進めるシーズン5用のバッテリーの情報が共有されている。昨年の夏、MATはシーズン5のバッテリー入札で勝利し、サプライヤーとしての権利を獲得。現在彼らは、バッテリーシステムの開発を進めると同時に、各チームからの要求を集約し、その統合を行うプロジェクトリーダーとして機能している。

 シーズン5のマシンは、2018年8月にホモロゲーションを取得することを目標に置いている。また性能面では、最大出力を200kWから250kWまで向上させ、回生エネルギー量も同様に向上させることを目指している。

 新しいマシンの車両重量は930kgになることが明らかになっており、これは当初予定していた車重を42kgオーバーしている。

 その理由の一つは、想定よりもMATのバッテリーが過重になってしまったことが挙げられる。あるチームのテクニカルディレクターは「安全装置を除いても、209のセル(電池の構造単位)から構造されるシーズン5のバッテリー重量は350~360kgにも及ぶ」と説明している。

 現在レースで使用されているウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングのバッテリーは、33のセルからなる5つのモジュールで構成されている。

 スパーク・テクノロジーズは、MATが用意するより重いバッテリーをカバーするために、3Dプリント技術を用いてこれまでにない新しい材質をシャシーに起用すると考えられている。

 また、現在のバッテリーサプライヤーであるウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングが、バッテリーセルのモジュールをデューティ・サイクル(問題を起こさずに機能する期間)テストによってシミュレートしたという情報をmotorsport.comは掴んでいる。

 そのテストでは、現行のバッテリーはシーズン5で満たされなければいけないデューティ・サイクルの数値を10%下回っていることが確認された。つまり、現行のバッテリーでは、乗り換えを行わずとも性能を維持し、1レースを航続することが不可能だということを意味している。

 この件に関して、FIAがMATに関与していると考えられており、MATはそういった事態に陥らないための対策を打ったとを報告した。MATによると、今後の開発計画は、バッテリー寿命へ直に影響を及ぼす充電速度を低下させる方針にあるという。

 現在MATは、ソニー・エネルギー・デバイス経由のバッテリー用セルを活用している。その傍ら、米国に本社を置く新興EVメーカーであるアティエヴァが、そのバッテリーパックのデザインや開発、製造を担当する予定だ。MATとFIAは、マシン交換によるピットインの廃止を可能にするバッテリーを供給するために、このような独立した専門家たちを集めたチームと共に作業を進めている。

Sam Smith

最終更新:4/13(木) 18:13

motorsport.com 日本版